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ぶっちゃけ大化の改新って何?ってレベルの俺が、当時のドロドロ権力抗争を最前線で見守ることになったんだが。  作者: 五稜 司


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第40話:歴史のデッドロック――磐井(いわい)の呪縛と、海斗のプレゼン

「いいか、大和の若造。俺たちはあんたらの使い捨て駒(フリー素材)じゃねえんだよ」

テントの中は、おっかない顔をしたおっさん……もとい、筑紫つくしの豪族たちでいっぱいだ。殺気がすごくて、俺は思わず不比等ふひとの背後に隠れそうになった。


「……磐井いわいの時のことを、忘れたわけじゃなかろう?」

リーダー格のガチムチなおっさんが、低い声で言った。

イワイ? 祝い事? ……あ、日本史の授業で寝てた時に聞いた気がする。確か、昔ここで大暴れして中央政府にボコられたっていう、地元のトラウマ案件だ。


「えーっと、イワイさんっすよね? 確かに昔はうちの上司(朝廷)がマジでサーセンしたっていうか……」

俺がヘラヘラしながら言うと、不比等が脇腹を小突いてきた。「海斗、言葉を慎みなさい(もっとちゃんとやれ)」という無言の圧力だ。


「でもさ、おじさん。そのイワイさんの時って、ネット……じゃなくて、連絡手段もなかったし、お互いメンツばっかり気にしてたわけでしょ? 今は違うじゃん」

俺は地面に、枝でテキトーに地図を書いた。


「今、あっち(唐・新羅)からヤバい軍団が攻めてこようとしてるわけ。これ、例えるなら『超巨大な台風』が来てるようなもんよ。ここで『昔、お前に傘貸さなかっただろ!』とか言い合ってても、全員ずぶ濡れになって風邪ひくだけじゃん?」

「……台風、だと?」

「そう! 過去のバグ(揉め事)をほじくり返してる間に、全員システム終了(滅亡)しちゃったら元も子もないでしょ? だったら今は、とりあえず一緒に屋根(防衛)作ろうよ。俺、難しいことは分かんないけど、みんなで協力した方が生存率上がるのは間違いないし!」


俺が能天気に親指を立てると、おっさんたちは呆気にとられた。

「……お前、本当に大和の使いか? 緊張感なさすぎだろ」

「あはは、よく言われます! まあ、細かい契約(条約)とかは不比等くんが徹夜で書いてくれるんで。俺たちはとりあえず、美味いもんでも食って仲良くしましょうよ!」

その時、テントの幕がバサリと開いた。


「いいこと言うじゃない、海斗! 宴(飲み会)の準備はできてるわよ!」

現れたのは、泥だらけでも絶好調な斉明さいめい天皇。彼女の「細かいことはいいから飲もうぜ!」という圧倒的オーラが、重苦しい空気を一気にチャラにしていった――。


【今回の学習ポイント】

・磐井の乱(527年ごろ):

九州のボス・磐井さんが「大和朝廷、マジうぜぇ!」って反抗した事件。新羅と手を組もうとしたから、朝廷側は必死で止めたんだ。この時の遺恨が、100年以上経っても九州の人の心に「しこり」として残ってたんだね。


筑紫君つくしのきみ:

磐井さんの子孫たち。乱の後はペナルティを食らったけど、やっぱり地元での影響力はハンパなかった。彼らが首を縦に振らないと、百済救援なんて無理ゲーだったんだ。


・唐の脅威: 史実でも、百済滅亡後の日本は「次は自分たちが攻められる」という極度の緊張状態だったんだよ。それが大宰府の防衛強化などに繋がっていったんだ。

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