第39話:筑紫(九州)上陸! 突撃、朝のホワイトボード会議
「……ここが、最前線か」
筑紫のナツ(朝倉)に到着した俺を待っていたのは、豊かな自然……ではなく、カオスな「建設現場(デバッグ会場)」だった。
「海斗! ぼさっとするな! 兵糧の搬入ルートを確保しろ! 百済からの避難民が押し寄せて、サーバー……じゃなくて、宿泊施設(兵舎)がパンク寸前だ!」
中大兄皇子が、泥だらけになりながら指示を飛ばしている。普段のクールな態度はどこへやら、今は完全な「現場監督」だ。
一方、斉明天皇はというと、地元の豪族たちを集めて「一気飲み大会」……もとい、「決起集会」を開催中。
「さあ、みんな! 百済を助けるわよ! 船を出すわよ! 私が先頭を走るから、ついてきなさい!」
「……母上、少しは落ち着いてください」と溜息をつく皇子。
そんな中、不比等が俺のところに、これまた分厚い木簡を抱えてやってきた。
「海斗、悪いニュースです。地元の土着勢力が、朝廷のやり方に反発して、資材の供給を止めています。このままだと、白村江へ向かう前に、我々の足元が『炎上』しますね」
「……また交渉かよ。俺、IT担当(事務方)なんだけどな」
俺は不比等から手渡された、クレームの嵐が書かれた木簡を眺めた。
どうやら、この九州の地には「磐井の乱」以降の複雑な感情がまだ燻っているらしい。
「海斗、貴様の『現代的な話術』で、彼らを納得させてください。失敗すれば……そうですね、斉明天皇の『特別訓練』という名のデバッグが待っていますよ」
「……やるよ! やればいいんだろ!」
俺は、不機嫌そうな顔をした地元豪族たちが待つテントへと、重い足取りで向かった。
【今回の学習ポイント】
・朝倉橘広庭宮: 斉明天皇が九州で拠点とした宮。急造されたため、木材をそのまま使った素朴な造りだったと言われてるんだ。
・百済の亡命者: 660年の滅亡後、多くの王族や技術者が日本へ渡ってきました。彼らの受け入れは当時の大きな政治課題だったんだよ。
・地元の協力: 遠征には膨大な物資が必要です。九州の豪族たちの協力を取り付けることは、遠征の成否を分ける重要事項だったんだ。




