人はさまざま
「私なんてさ英語も話せないし、夢だけを追ってアメリカに行ったけど、それでもちゃんと暮らしてる。案ずるより産むがやすしかもしれないよ。相手が美紀のこといいと思ってて、美紀もいいと思うなら、一度付き合ってみれば?美紀は後先考えないで、恋愛にのめり込んで我を忘れるタイプでもないし…」
のめり込んで我を忘れると言う言葉で、歩のことが頭に浮かんだ。
「そうね…縁があったら。」
「いつもそんなことを言ってる。高校時代から何も変わってないんだから。」
「そんなことより瞳はどうなの?」
「私かぁ…恋が終わったばっかり。新しい恋がないかなとか思っている」
「終わったのか…」
「そう3年も付き合って、わからなかったなんてね。」
「わからなかった?」
「そう。彼、ゲイだったの。私と付き合っていたのはゲイをカモフラージュするためだけだったのよ。」
「そう…なんかびっくりだね。」
「そうびっくりよ。自分がねゲイであることをママにカミングアウトしてママに認められたから、彼と暮らすって出て行った。」
「ショックだったでしょ?」
「そうね。でも出ていった時はショックだったけど、もうそうでもなくなった。もっと良い人いるもんねって思う。」
恋の重さって人それぞれだと思う。
2ヶ月で次の恋を探してキラキラしている人もいる。
もし夏実がいなかったとしても、美紀は1年位渉に執着していたような気がする。
いや、今でももし渉が戻ってきて、自分だけを好きと言ったらやり直すかもしれない。
そんな自分の不器用さに少し腹が立った。
瞳はもともと友達たちの中でも1番控えめな性格で、冒険をするような性格ではなかったが、アメリカで暮らしてだいぶ考え方も変わっていて、革新的な考え方になっていた。
美紀も夏実の生活を1番に考えた上で、少し自分の生活を変えてみようかと思った。
瞳はロスに帰ったらすぐに大きなイベントがあって、そこで自分のやってきたことが認められると大成功ができると目をキラキラ輝かせて話している。
美紀にとって異世界の話だったが、友人が成功していくのは楽しいし、自分も幸せのおすそ分けをもらえるような気がした。
瞳は積もる話を1日中していた。
そして2年後、また帰ってきたときに会うことを約束して別れた。




