再会
「いやー美紀全然変わらないね。」
(うん…私はほとんど変わっていない。少し歳をとっただけだね。)
「瞳はすごく変わったね」
「日本を出て行ったからね。」
「そっか…。高校の頃からヤシの木のあるところで暮らすって言ってたもんね。」
瞳は笑いながらそうねと言った。
「ところでさぁ、美紀、今いい人いないの?」
(いい人か…)
健也の顔が浮かんだ。
「うん、ちょっといいなと思う人いるんだけど…。」
「どんな人どんな人?」
「取引先の会社の営業の人で…」
「いいじゃない。相手は美紀のことどう思ってるの?」
彼はもう1年ほど美紀のことを好きだと言ってくれている。
でも…
「好きだって言ってくれるけど、いざ、恋愛となると難しいよね。子供いるしさ」
「でも、相手は子供がいるって知ってるんでしょ?」
「知ってる。会ったときとかはよく夏実と遊んでくれるんだ。でも…」
「でも?」
「付き合って、結婚して、子供が生まれてってなったときに、夏実が差別されないかとか、肩身の狭い思いをしないだろうかとか考えちゃう。そうすると付き合うことに躊躇するよね。」
「そっか。まぁいろいろなケースがあるからね。うちの姉なんか自分の子、相手の子、そして自分たち2人の子がいるけど、ワイワイ仲良くやってるよ。」
案外簡単なのかもしれない。
でもどうかわからない。
美紀にはその1歩がどうしても踏み出せないでいる。
健也には結婚歴がなく2歳年下だ。
それも、美紀が彼から一歩引く原因となっている。




