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one・days 「1.10」始まりの日の先へ  作者: 仲仁へび
第7章

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第64話 似てるから



 龍打さんは別に先輩の事が嫌いだったというわけではなさそうだ。

 それは目の前にいる彼の態度を見ていればすぐに分かる事だった。


 始まりはきっとささいな不幸で、それが知らない所で大きくなってしまっただけ。

 一人で何とかしようとしてしまったから、こんな事になてしまったのだ。

 俺がやり直す前の世界で、龍打さんは先輩が死んだあとどんなきもちだっただろうか。


 きっと俺が想像できないくらい後悔しただろう。

 先輩を助けるつもりで、殺してしまうことになるなんてきっと思ってもいなかったに違いない。


 俺もきっとこの人と同じなんだろうな。

 守るつもりで一人で頑張ってたけど、結局一人でやることには限界があるのだ。


 先輩の言葉をうけて床に膝をつき、頭を垂れる龍打さん。

 その肩を桐谷先輩は優しく叩いた。


「お咎め無しと言うわけにはいかないが、君の心使いは嬉しかったよ」


 そんな様子を傍から眺めている円にとっては、その処分は生ぬるいと感じたようだ。


「もう、桐谷は甘いわよ。アタシだたら即刻クビにしてるわ。甘いわね、桐谷は。よく会社でやってけたわね」


 それには同感だが。先輩が優しいだけでもないと思った。

 きっと桐谷先輩にとって龍打さんは、他の人とは違って特別だったんだろう。

 ずっと前から一緒にいたんだからきっと執事とかそういう間化柄じゃなくて家族みたいなもんだったんじゃないだろうか。


 龍打さんのした事で、間接的に害をこうむって何度もループする羽目になった俺からすれば、言いたい事はそれなりにあるのだが、目の前の光景を見ては、何も言えなかった。


 自分一人で抱え込んで解決しようとした俺は、あの人に何かを言えるような立場ではないだろうし。


「未来には本当に申し訳ないが、……私に処分を預けてもらって構わないだろうか。どうしても気が済まないというのなら、私を代わりに罰してくれても構わない」

「先輩を罰するなんてできませんよ。俺から言える事は何もありません」

「そうか、助かるよ」



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