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one・days 「1.10」始まりの日の先へ  作者: 仲仁へび
第6章

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第53話 円の家



 篠塚家 PM5:00


 茉莉と別れ、一旦家に帰って着替えた俺は、再び外へ出てその足で円の家へと向かった。


 着いた先。

 目的地である円の家は桐谷先輩の家とは違って、普通の一軒家だった。

 広さはおそらく俺の家と同じくらいだ。


 始めてくるので真新しさはあるが、緊張感がないのは少し救いだった。

 見慣れた規格の家に安堵が込み上げてくる


「普通だな」

「普通で悪かったわね」


 そんな事を言ったら、出迎えに出てきた円に文句を言われてしまった。

 口に気を付けなければならない。

 今日はケンカをしに来たわけではないのだから。


 円に連れられて、家の中へと入っていく。

 父親は警察の仕事があるのだろう。家にはいなかった。

 主婦である母親には出迎えられたので、簡単な挨拶を交わした。


 前に何度か会った事があるので知っているが、人の良さそうな母親だった。


 円の部屋に案内されて入ると、ファンシーな内装が目につく。


 桃色の壁紙が貼られていて、棚やベッドには可愛らしいヌイグルミがいくつも置かれている。


 円がそういうの好きなことは知っていたが、改めてギャップを感じざるをえない。


 桐谷先輩の時とは違って、今度は座布団に座る様に進められて、俺と円は腰を落ち着ける。

 

 適当にそこらから引っ張り出してきた奴だ。

 円は対面に俺より先に腰を下ろした。

 なんかいつも通りすぎて逆に安心する。


「そ、それで話って……?」


 でも、円の態度が若干ぎこちないのが気になる。

 そわそわした様子の彼女から、話をきりだされるが、中身が無いのは今回も同じ事だ。


「それよりまず、聞きたい事がある」

「な、なに?」


 声をうわずらせる円の事に突っ込みをいれるか悩みつつも、俺は話題を口にした。

 やる事はあるが、茉莉と約束した事もあるので、少しだけ脱線させてもらう。

 それは、前々から気になっていた事だ。


「円、お前は茉莉の事が嫌いじゃないんだよな?」

「……」


 茉莉とのやり取りもあったから、先に済ませておこうかと思ったのだが、失敗だっただろうか。



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