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one・days 「1.10」始まりの日の先へ  作者: 仲仁へび
第6章

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第49話 情報の把握



 円に連れて来られたのは学校内で、人の通らない場所。

 屋上へ続く階段の前だ。

 屋上には閉鎖されて出入りが出来なくなっているので、ほとんどの生徒がよりつかなかった。


「って、これって何だか愛の告白でもされちゃうような場所よね」


 目の前にいる円は、妙にそわそわしながら、そんなおどけた事を言った。

 告白云々はまったくその気がないので、気にしないでもいいのだが、前にそんな事を言ったら殴られたので余計な事は何も言わない事にした。何が余計なのかは今の俺なら一応分かる。触らぬ神に祟りなしでいこう。


 俺は回りくどい事をなしで、一番聞きたい事をまず聞く。


「円、今日の予定を教えてくれ」

「何でよ」

「後で説明する。頼むから」


 単刀直入にそう尋ねれば、案の定怪訝そうな顔をされた。

 だが人の命が、主に円自身の命がかかっているので引き下がる事などできない。

 頭を下げると、諦めたような声が返って来た。


「しょうがないわね……」


 ため息をついた円は、渋々と言ったように、本日のスケジュールを教えてくれる。


 本日の円は、大体は家の中で過ごすらしいが、園芸部の助っ人を引き受けたために、一度買い物にでようかと思っているらしい。

 特に変な場所に行くような事はないようだった。


「じゃあ、誰かに恨みを買うような事とかあるか?」

「はぁ。そんなのアタシの性格考えれば分かるでしょ? 自分で言うのもアレだけど、一体何人の悩み事聞いてきたと思うのよ」

「いや……」


 そういういつもの日常的な恨みなんかじゃないんだ。

 だが、この分だと殺意に繋がる様な恨みには心当たりがないみたいだった。


「外出は大体何時くらいを予定してる?」

「何でそんな事まで言わなくちゃいけないのよ……」

「頼む、これも大事な事なんだ」

「はぁー……」


 より長い溜息をつかれる。

 詳しく聞き出そうとすればするほど、円はもともと渋かった表情をさらに渋くししていった。


「大体八時くらいに家を出るつもりかしらね。でも途中で新しい音楽が出たとかって話だから、CDショップには寄るかもしれない。だから帰るのはちょっと遅くなるかもしれないわかもしれないね。これで満足?」

「そうか。ありがとう」


 そう言ったら円は、身震いして、自分の腕をさする動作。


「アンタからお礼言われるなんてね。変なものでも食べたの?」


 そんなわけないだろ。


 ともかく真っすぐ目的を果たすわけではないということが分かっただけでも朗報だ。こいつの事だから、途中で気分が変わって危ない道とかどこかをほっつき歩いてて、それで危ない事に首を突っ込んだのかもしれない。

 

 円の親は警察で、円も少しだけ護身術みたいなのに長けているらしいというのはもう分かっている。


 けれど、それでも円は死んでしまった。

 という事は、円を襲った相手は、相当な腕を持つ人間になるだろう。

 不意をつかれたという線も考えられるが、円の警戒心は高い。

 道端でただのおかしな人間と遭遇したぐらいで、後れをとるような奴ではないはずだ。


 一体円を殺した相手は何者なんだ。


 桐谷先輩が死んでしまった理由は、現場をしっている執事の龍打さんに教えてもらったから、詳しい事を聞き出せたが……。


 円の事は未だによく分からないままだ。


 桐谷先輩の事も気になるが、今夜は円についていた方が良さそうだ。

 幸い、あっちには一応保険をかけている事だし。


 俺は円を真っすぐ見つめて、頼み込む。


「円、俺をお前の家に泊まらせてくれ」



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