第46話 力のルーツ
時の流れをさ迷っている感覚とは、こういうものだったのだろうか。
今までには感じなかった、大きな力の様な物を身近に感じる。
一方向にながれていくそれに、俺は逆らうようにして進んで行く。
通常ではありえない現象、起こりえるはずのない出来事。
決して元には戻れない一方通行の道の中を、俺は引き返していた。
そんな中で、俺はあの銃のルーツの記憶を、頭の中に蘇らせていた。
??? ???
それはずっとずっと子供だった頃。
今よりとても押さなくて非力だった頃の出来事だ。
「未来、未来……」
茉莉の心細そうな声と震えが背中から聞こえる。
俺はそれに「大丈夫」だと小さく答えながら、扉の隙間から部屋の中にいる人間の動向を窺った。
そいつは俺の家にやって来た侵入者だ。
物盗りらしきそいつは部屋を物色している。
その頃から茉莉は、俺の家に遊びに来る事がよくあって、その事件が起こった時も俺と茉莉は一緒だった。
確か、部屋の中で茉莉と一緒にボードゲームか何かをして遊んでいた時だと思う。
それがリビングでアニメを見ているか、茉莉の好きな魔法使いごっこに付き合う遊びでもしていたら別だっただろうが、個室の部屋で大人しく遊んでいたものだから、侵入者も内部に人がいる事に気が付かなかったのだろう。
母親は買い物に出かけていた。
だというのにただいまの声もなしに、家の中に入って来た人間の気配を感じた俺は、すぐにその物盗りの可能性の気づいたのだ。
部屋の中には電話はないから、誰かに助けを呼ぶ事は出来ない。
逃げようにも、下手に動いて物音を立てれば相手に存在を気づかれてしまう。
部屋の窓から出ようかと思ったが、俺のいる部屋は今も昔も二階のままで、変わらずだった。
歳をとればかろうじて何とかできない事もない高さでも、子供だった俺達がそこから飛び降りるのは勇気のいる事で、どうすべきか迷っている間に侵入者は部屋のすぐ近くまでやってきてしまったのだ。
「みらい……」
「大丈夫、大丈夫だから。じっとしてろ」
だから俺はとっさに茉莉とともに、部屋の中にある扉が両びらきタイプのタンスの中に隠れる事にした。
「でも……」
「いざとなったら俺が守るから」
「うん」




