表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
one・days 「1.10」始まりの日の先へ  作者: 仲仁へび
第5章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
44/87

第44話 二人目の思い



 その後の細かいやり取りは、覚えていなくてもいい事ばかりだった。

 俺は大事な記憶だけ、頭に刻み込んだ。


 結論だけ言う。

 俺は巻き戻る事にした。


 巻き戻る事が、できた。

 これで何度目のループになるのか、そろそろ回数把握が難しくなってきたが、巻き戻らないという選択はどこにもなかった。


 今度こそ先輩を救って見せる。

 絶対に。


 だが、前回と同じ轍を二度も踏む気はない、巻き戻る前に出来る限りの情報を集めることにした。


 先輩はすぐに病院に運ばれたらしいが、玄関ホールで見た時にはもうすでに息が無かったらしい。


 俺は、とった行動の何がいけなかったのかを考えていく。


 家の中にいても先輩は死んでしまった。


 だが、前回と違って情報はある程度入って来た。


 ライバル製薬会社がやった可能性が高いと、そう執事である龍打さんから情報を得られた事は大きい。

 そいつらが雇ったエージェントが、本物となり替わって先輩の前に現れたらしい。


 先輩は元から多くの人に恨まれていた。

 人の為になる行いが必ず、人から喜ばれる事とは限らない。

 

 学校生活を見ていただけでは分からなかった事だが、多くの権利や利益が動く大人の社会の中では、聡明で頼りになる先輩の存在は、必ずしも歓迎できる人間ではなかったらしい。


 新薬の開発を妨害しようとするものや、その成果を横取りしようとするものが、業界には多くいて、先輩に日常的に細かな嫌がらせはされてきていたらしいのだ。


 最初の時もおそらくその人が先輩を殺したのだろう。


 そこまでやるか、と思う。

 はっきり言って理解できない。


 人殺しだ。

 人が死んでいるのだ。

 理由が分かってもすぐには信じられなかった。


 でも、現に事件は起こっている。

 犯人は明らかに、先輩をターゲットに定めていて、狙ってきている。


 一度ならずも何度までも俺の知人を手にかけた。

 前々から計画を練っていたのだろう。

 顔も知らない誰かに怒りがこみあげてくる。


 なぜ桐谷先輩が狙われなければならない。

 何も悪い事なんてしていないというのに。

 先輩は立派だ。

 いつも誰かの助けになれるよう、部活動の事も会社の事の頑張っていたというのに。


 そう何度も相手の思う通りにするわけにはいかない。

 今度こそは、先輩を守らなければ。


 そう、決意した瞬間……俺の記憶の蓋が、少し開いて過去に起こった出来事を思い出せるようになった。


 巻き戻りを引き起こす為の道具がなぜ銃だったのか、分かったのだ。


 あの後、先輩に付き添った病院の外へと出て、赤い銃の事を考えれば手の中に固い感触が生まれていた。


 それを俺は、躊躇いなく自分のこめかみへと突きつける。


 俺には分かるのだ、その銃が他でもない俺の為に存在していると言う事が。

 正確には俺の願いの為にだが。


 悪いようにはならないという不思議な信頼感があった。


 しかし、


 引き金を引く直前に、一通のメールが届いたのだ。


「え……」


 その文面は俺に衝撃をもたらすものだった。


「何でお前が……」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ