第21話 四度目の1月10日
罪在の森 AM8:00
俺は一体何回同じ日を繰り返す事になるんだろうな。
もうすっかり飽きてしまった朝のやりとりを母として、学校をさぼって罪在の森へと向かった。
道はかなりうろ覚えだったがなんとか辿り着けた。
森の様子は、以前と全く変わらないように見える。
とりあえず何か異変がないか調べてみるが、まったくそれらしいものは見つからない。
あまりにも何も分からないものだから、若干苛々してきた。
「おい、災とやら。お前が俺に力を寄越したのか!? だったら理由はなんだ、何で俺にそんなものを渡した。俺に何をしろって言うんだ」
遅々として進ままない現状に、ついそんな事を叫んでしまうが、答える声もなく、白い眼を向けてくるような人影すらない。
「あいつの携帯番号聞いておけばよかったな」
昨日出会った少女の顔を浮かんだが、それと同時に自分の至らなさに頭を抱えたくなった。
あの出会いは偶然のようなもので、降ってわいた様な幸運だった。
何せ、あいつがあんなにも色んな情報持ってるなんて、最初は思いもしなかったのだから。
俺は仕方なく茉莉に、メールで織香の連絡先を聞く事にした。
ここ最近ずっと頼りきりな気がする。
本来なら、あいつの方が俺を頼って来るのがいつものことだというのに。
情けなくなってくる。
連絡先を教えてもらった後、茉莉からは想像通りのメールが返って来た。
まだ中学にいるだろうに、携帯弄ってて大丈夫なんだろうか。
『えー、未来。織香ちゃんと知り合いだったのー。何でー? えー何でー?』
『偶然知り合った。それよりお前、俺について変なこと言ってないだろうな』
『変な事なんて喋ってないよー。未来の良いとこか悪いとことか喋ってないもんー』
その悪い事を変な事って言うんだ。
『そうか分かった、じゃあ代わりにお前の変な所を喋ることにする』
『あたしは変じゃないもん。未来のいじわるー』
この皮肉ではどうやら茉莉には通じなかったらしい。
円あたりだったら、また別の意味に捕らえそうな文面だったが。
茉莉はまったくいつも通りの変わらないお子様だ。
けれど、そういう通常営業な所があいつの良い所でもあるのだ。
いつも変わらなくのほほんとしてるから、余計な事考えずにすむし、あいつに敵にとか害意なんて抱きようがない。
俺達の中では、癒し……的な存在なんだろう、あいつは。
だから、誰もがあいつを守ってやりたくなるんだ。
大切な宝物の様に。
そんな事を考えていたら、脳裏にいつもものか分からない映像が浮かんできた。




