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『はむっ、んぐんぐ。

わひゃひが(私が)みにひった(見に行った)ほきには(時には)、んぐ、ランって女の子が寝ていて周りはホッとした顔をして、はむっ、リャンほ(ランを)、むぐっ、見ていたわね。皆がみんな疲れが溜まって、目の周りに隈を作って顔色も悪かったわ。安心しつつ疲れてやつれてもいたわね。ハムッんぐ。』


ひになったひゃら(気になったから)、んぐ、更に調べたんだけど、マリーンを連れて行こうとしていた男は、はむっ、ふりゃのしぇかいにょ(裏の世界の)、ゴクッ、売り子の一人だったみたい。もぐもぐ、ゴクッ、それでランって女の子は、その男から貰った物を、はむっ、ひゃれた(食べた)らひぃわ(らしいわ)。むぐっ、そのせいでランはおかしくなったとランの家族が言っていたわ。』


私はウンウン頷きながら魔力玉を指先に作りアクアにあげていた。


『はむっ、しょのはべた(その食べた)ゴクッ、物ってのが白い粉らしくて人間が病気の時に食べているものに似ていたわね。モグモグ、ゴクン、定期的にその粉を食べないと暴れて話も通じなくなって、どうしようもないとランに似た女の人が泣きながら呟いてたわ。』


ん?


『それで、モグモグ、私は様子を暫く眺めてたら気配が薄い仮面の男が入ってきて大量の白い粉を、モグ、置いて行ったの。ランの家族は大喜びしていたわ。はむっ、モグモグ、あとは何もなかったわね。』


んん?


『アクア。その仮面の男って僕が探してた男じゃないのかな?微かにアクアから僕が探してた男の魔力の匂いがする。』


『リクが探してた男かは分からないけど、魔力はマリーンの次に美味しそうだったわね。あと、赤髪だったわ。』


『多分その人間だよ!な~んだ、アクアの所に居たのか。僕探して損しちゃった。

ねぇ、マリーン。僕、頑張ったんだよ。また魔力玉ちょうだい。』


『ちょっと!リクはさっきマリーンに貰ったばかりでしょ!?ダメよ!今は私が食べてるんだから!』


リクとアクアが何やら言い荒らそっているのを耳に残しつつ私は魔力玉を作りながら考え込んでいた。


〝白い粉、飲み続けないと暴れる、薬を求めてしまう、

それって…麻薬…じゃないの?

そして、赤髪の彼がランの家に薬を大量に渡したってこと?

えっ?

確かに初めて会った時はヤが付く職業の人かと思うくらいの雰囲気持ってたけど、優しかったのに……悪い人だったの…?〟


魔力玉を作り続けながら無意識に胸元にある小さな笛を服越しにギュッと握りしめながら瞳に涙が溜まっていった。

無意識に信じていたからか裏切られた気持ちになり悲しみで頭いっぱいになった。それを振り払う為に握りしめていた笛から手を離し涙を拭った。


〝もし麻薬だったなら、飲み続けるのは一時しのぎにしかならないわ。しかも、まだ小さなランに定期的に麻薬を飲ませてたと考えるとランの体も心配だし麻薬を抜くのにも相当時間がかかるわね。〟


前世の聞きかじりの記憶から私はランが飲んでいるのは麻薬であり麻薬を抜く為には、どんなに欲しがっても暴れても麻薬をあげず体の中に蓄積された麻薬成分を少しずつ排尿させ出すしか方法がないと思った。

話し半分に聞いていた話だが、麻薬を抜く作業は麻薬患者も家族にも相当な身体的、精神的負担が半端ないとの事だった。


私はランを助けるためにアニータとヤンを呼び動き始めた。


「もう、城下町には気軽に遊びにいけないわね。」


小さく呟いた声は誰にも届かず空気に溶けていった。


―――――――――――――――――――――――――――


「なっ、なんですか?」


「わたくし共は何もしておりません。今は病気の娘が居て役人様に移したら大変です。お引き取りをお願い致します。」


ランの両親は急に来訪を告げた騎士を連れた役人に驚き戸惑いながらも土下座する勢いで床に頭をつけ対応した。


「その娘に用がある。彼の高貴な方からの指示にて、ランと言う名の娘と、その娘が服用しておる白い粉薬を全て持ってこいとの事。」


「しっ、しかし!」


「シッ!ここだけの話だが、お主の娘は奇病を患っておるのだろう。彼の方に任せれば治せるかもしれぬぞ。」


ずっと下げていた頭をガバリと上げ役人の顔を凝視するランの親は藁にもすがる思いで見つめた。


「ほっ、本当に助かりますか?」


役人は何も答えずジッと見つめ返した。


「よっ、宜しくお願いします。」


涙を流しながら、か細い声の返事を聞くと、すぐに騎士はランが居る部屋へ踏み込んだ。

そこには部屋の真ん中で、だらしなく座り涎を垂らしながら笑っているランがいた。彼女の周りには白い粉が散乱しており部屋に入り込むのを躊躇する有り様だった。


「はっ、へへへっ、うふふふふっ」


「くっ!」


騎士はすぐさま口元を布で覆い部屋に踏み込みランを抱き上げ、散乱している袋の一つを回収して部屋から出ると、そのまま馬車まで歩き始めた。


「あっ、あぁ…ラン…」


ランの両親が涙を流しながらランに手を伸ばすが、ランは変な笑い声を上げているだけで何も反応しなかった。


「あの部屋には入らない用に。」


騎士は簡潔に両親に指示を出すと、馬車へ足を進めた。


「それでは御息女は、お預りします。彼女が居た部屋には決して入らない用に。後で全ての粉薬を回収に参りますので。」


役人が話し終わると、騎士とランとは別の馬車に乗り込み去って行った。


馬車が見えなくなっても、ずっとランの両親は涙を流しながら佇んでいた。



書き溜めして投稿しようか迷ってます。

めちゃくちゃ更新がなくなったら「あっ、書き溜めしてるんだな」と思って下さい。

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