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年末年始で忙しく気付くと1ヶ月更新していませんでした(汗)

今年も拙い作品を皆様、宜しくお願いします。

こんなにも目立つ格好をしているのに何故気付かなかったのかと言うほど、忍者衣装に似ている真っ赤な服を着て佇む彼がいた。

恍惚とした顔で私を凝視し、フラフラと少しずつ近付いてくる彼に私はどうすれば良いのか分からずに慌てた。

彼がこうなった原因は分かっているが周りを見渡すもリクは帰ってきておらず途方にくれながら、ふと気付いた。

何故か彼から、あの強烈な硫黄の臭いがしないのだ。不思議に思い再度周りを見渡すと、なんだかいつもより赤ちゃん精霊が多く感じるのだ。そう、先ほどより倍近くになっている気がする。

考え込んでいると急に石鹸の香りが鼻をくすぐった。

匂いに誘われ顔を向けると間近に彼の顔があり、意思の強い漆黒の瞳は今では熱に浮かされていた。汚れていた髪や肌はなりを潜め決め細かな肌とパサついた髪。髪の毛もオールバックにしておらず襟足まで伸びた彼の少し長めの髪の毛がサラサラと私の頬を(くすぐ)った。


「あっ、あのっ!わわっ、きゃっ!」


あまりの近さに声をかけながら慌てて距離を取ろうと後ろに下がると足がもつれ後ろに倒れそうになった。ギュッと目を閉じ衝撃を待つも一向に痛みは訪れず恐る恐る目を開けると目の前には真っ赤な布が見えた。

腰に暖かみを感じチラリと横目で見ると男の人を感じさせるゴツゴツした筋ばった腕が見え上を見ると綺麗な顎ラインが見えた。


(こっ、これは!もしや、抱き締められてる!?なっ何故!?)


頭の中はパニックをおこし、思考は停止し真っ白になった。パクパクと口を開けながら唸り声を小さくあげていると彼が話し始めた。


「うぅぅ…。」


「おめぇ、嬢ちゃんじゃなくて姫さんだったんだな。」


耳元で呟かれた声は少し掠れた低音で、なんだか迫られているのではないかと錯覚させた。

私が何も言えないでいると納得した顔をし離れて行った彼の暖かみを何故か寂しく感じた。


「あぁ、すまねぇな。すげぇ良い香りでどうかしてた。俺みたいな顔の奴に近付かれたくねぇわな。」


「いっ、いえ!あなたがとても綺麗で戸惑ってしまって…。

コホンッ、改めまして昼間は助けていただきありがとうございます。何かお礼をしたいのですが。」


離れていった彼は恍惚とした顔から一変し昼間に会った時の様に眉間に皺を寄せた不機嫌そうな顔に戻っていた。離れてもらったことで私はやっと落ち着きを取り戻していた。


「あ"~、俺はお前を助けたわけじゃねぇ。たまたま気がのったから、ついでだ。ついで。」


「はい。それでも助けていただいた事には変わりありません。」


ばつが悪そうに言う表情が彼の人のよさを感じさせ、ますます私は彼にお礼をしたくなり満面の笑顔になった。


「ふっ、じゃあ嬢ちゃんにはコレをやる。俺を呼びたきゃ吹きな。」


「えっ?」


「俺は欲しいもんはない。欲しいもんは自分で掴みとってこそだからな。だから嬢ちゃんが決めてから俺を呼びな。」


「えっ?…はい。」


「お礼に嬢ちゃんをくれるって言うなら、いただくがな。」


ドア付近にいたのに、いつの間にか、また間近にいて彼は私の髪を持ち口元に持って行き、髪にキスをしながら言った。


「※@*#&※@*~!!!」


「ククッ、じゃあな。」


彼からの色気に当てられた私は自分でも何を言っているのか分からない言葉を発していた。それを見た彼は作り物の笑みじゃない、子どもの様な無邪気に笑いながら目の前から消えた。

私の頭の中は彼の笑顔が忘れられず、彼に渡された紐が付いてる小さな竹笛を見つめながら暫く呆然としていた。


――――――――――――――――――――――


『マリーンが昼に会った赤髪の彼、どこを探しても居ないんだけど。探せないなんて、おかしいなぁ。』


私が呆然と過ごしているとリクの声が聞こえハッとし、慌てて手にある笛の紐を胸元へ入れた。


「おっ、お帰りなさい。」


「マリ~ン、ちゃんと探したんだけど居なかったんだよ~。探したんだよっ?だから、ねっ?頂戴。」


リクが可愛らしくおねだりしながら、すり寄ってきた。まだ冷静じゃなかった私は乞われるまま指先に魔力を集めてリクに渡した。


「わわっ!言ってみるもんだね。

はむっ、あむあむ。のうこ~う!」


「けど、な~んで赤髪の男の場所が分からなかったんだろ?僕の覚え間違いかなぁ?魔力を探しだすの失敗したことないのになぁ?」


リクは独り言をブツブツ言いながらも私の魔力を食べていた。

惰性的に魔力をあげていると音もなく目の前にアクアが現れ叫び始めた。


『あー!!リク?!あなた、先にマリーンから魔力を貰って更にお腹いっぱい食べているわね!?』


『んぐんぐ……ケプッ。アクア遅かったね。』


『私の方が調べ人数多いんだから魔力も沢山貰えると思ったのにズルいわ!』


「ひょえっ!」


余りのアクアの迫力にビビってしまい変な声がでた。

アクアの叫びで我に返った私はアクアの言い分に納得し頭を上下に振り頷いた。


「わかったわ。アクアには調べてくれた人数分の数だけ毎日、魔力玉をあげるわ。」


『ほっ、本当に!?やったー!』


私の提案を聞いたアクアは余程嬉しかったのか、部屋中を飛び回り喜んでいた。

その傍らでは、先程まで満足な顔をしお腹を擦っていたリクが今では不服そうに頬を膨らませアクアを見ていた。

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