↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/43

32

そして現在に至る私はどこに連れて行かたのか分からないがドナドナされたようだ。


『あむあむ。マリーンの魔力って本当に美味しいよねー。』


…………。

縛られた私を気にすることなく私の周りをフワフワ浮いて笑顔で魔力をパクついてるリクをジト目で見るも、やはり精霊は人とは違うからか、気にした素振りもなくニコニコして話しかけてきた。


『いやぁ~、人間って本当意味わかんないよね?マリーンも急に焦って走り出すし、あの醜男もマリーン追いかけて鬼ごっこし始めた時は僕ビックリしちゃったけど楽しそうだったね。まぁ、あの醜男の仲間に捕まっちゃったみたいだけど。…アハハッ!マリーン残念だったね。』


『いやいやいや!ちょっと待って!あれは、遊びじゃないの!本気で私はあの男から逃げてたの!』


『へー、そうなんだ。マリーンがいつも遊んでる人間と知り合いみたいだし魔法も使わず逃げてるだけだから遊んでるだけだと思ったよ。』


『いやいや、私の魔法って小さな木の板と水出すだけじゃん!』


『何言ってんの?マリーンが魔木とかしか出さないだけで魔力は沢山あるんだから普通に精霊に魔力渡して魔法使えば強い光出したり、火とか水とか出す事できるから、人1人くらい丸焼きや大きな木を出して潰したりするのなんて簡単だよ。』


『えっ?』


私は色んな事で困惑した。いやいや、確かに私は物作りの為にしか魔力使ってないから知らなかったが私ってそんな強い魔法使えたの?

いや、てか人1人丸焼きするくらいの火力だせるとか、こわっ!!


『私って、そんな事できたんだね~。』


遠い目をしながらリクに返事し現状を抜け出すにはどうしたら良いのか悩んだ。


『因みにリクさん。リクさんの力で私を助けてくれたりとかは~…。』


『ん~…、無理!』


邪気のない笑顔で断ってくるリクに「やっぱり」と思いつつも理由を聞いてみた。


『あのね、僕たちは人間に干渉したら駄目なんだ。人間同士の事に僕たち上位精霊が干渉したら理から外れちゃうからね。だから僕もマリーンに魔力の使い方を教えたり、精霊が関わってる事に手を貸す事はできるけど逆に言えば、それ以外は関わってはいけないんだ。』


『そっ、そっかぁ~。』


急に真剣な顔をし話始めたリクの言葉を聞きリクと出会って数年の時を思い浮かべるも、確かにリクたちは精霊が関わってる事か魔力に関してしか助けてもらってない。

少しの希望を打ち砕かれて項垂れてると強烈な匂いが漂ってきた。音は何もしないが匂いがどんどん強くなり、あまりの臭さに鼻を摘まもうと咄嗟に動かそうとするが手を後ろ手で縛られていて摘まむことも出来ずに耐えるしかなかった。

城で臭い騎士たちや父母で慣れた私でさえギリギリ耐えられる臭さが私に近づいてくる恐怖に(おのの)いているとリクの呑気な声が聞こえた。


『わぁ~♪マリーン程じゃないけど、結構美味しそうな魔力を感じる~。あの子たちも沢山居るみたいだね。』


リクの弾んだ声とは裏腹にあまりの臭さに鼻水がでてくるが鼻をかむこともできず、私は鼻水を垂れ流すか(すす)るか究極の二択を迫まれていた。


『リク、リク!お願い!この筒状の小さな木を私の鼻に突っ込んで!』


『んん~?これ?鼻に入れればいいの?…

うわっ!マリーン鼻からキラキラしたの出て来てるよ!?』


「ふごふごふご~(い"ぃがら~はやぐちて~)」


念話があるから言葉を発する必要もないのに、そんなことを忘れるほど、この時の私は鼻水をいかに垂れさせないか必死だった。そして言葉を発したことにより鼻水がとうとう決壊するっ!というギリギリでスポッっと間抜けな音がしそうなほどピッタリ私の鼻に小さな筒型の木が突っ込まれた。


はあぁぁぁぁ~~~~。


『これでいいの?』


「ふっごごご~(あ"りがと~。)」


安堵の息を大きく吐き出しているとリクから確認されたので、お礼を言った。鼻が詰まって口に布がある状態なので大分息苦しいが問題ない。そして、この時リクが神様の様に見え今までで一番感謝した。

リクにお礼を言っていると急に倉庫の扉が開いた。


ギギギギギィ~


「あ"ん?なんでこんなとこにガキが縛られてんだ?」


逆行で顔は見えないが、あまり食べれてないと思われる体型と服装で着ているズボンは所々穴があき縫い目もほつれてシャツもヨテていている。髪の毛は燃えるようなな赤い色でオールバックにしてあるが油を塗ってるのか分からないが見るからに汚れている。そして鼻栓をしていても微かに匂う強烈な硫黄の匂いから私の鼻水の元凶は彼だと言うことが分かる。


「チッ、胸くそわりぃ。」


舌打ちをしたあと私に近づいてくると、やっと彼の顔が見えてきた。パッチリとした二重でややつり目の瞳、スッっと伸びた鼻筋、眉毛は少し太めながら綺麗な山形をしており、唇も少し厚めの唇がぎこちなく弧を描いているが頬が痩けており彼が裕福ではないことが伺えた。


「おめぇ、拐われたのか?」


高速で頷きながら私は彼の事が獰猛な餓えた虎のように見えた。痩せた彼は瞳だけはギラギラとしていたからだ。


チッ!

「嫌かもしれねぇが触るぞ。」


再度舌打ちをした彼は私を米俵を担ぐように持ち上げ倉庫から出ながら呟いた。


ハッキリ言って彼はカッコいい。なんだか少し危険な香りする感じもまたいい!しかし如何せん私は現在、手足縛られ口元を布で覆われ、鼻栓を着けていた状態から更に肩に担がれた事によってお腹を圧迫され息も絶え絶えで意識が朦朧としてきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。