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お待たせしましたー!
『なぁ~にゴチャゴチャ考えてんの?』
『んん~?…あのさ、白くてサラサラした砂とトロナ鉱石って石と水辺の近くに灰色や茶色、黒色の綺麗な石って知ってる?』
『サラサラの砂なら海辺にあるし、綺麗な石は沢山あるからマリーンが探してるのがどれか解らないよ。あと、トロル鉱石?だっけ?それってどんなの?鉱石って言うくらいだから石なんだろうけど。トロルって妖精なら居るけど、あいつ石なんて持ってたかなぁ?』
『とっ、トロル?妖精?』
(突っ込みどころ満載な単語が沢山あるぞ。トロルって何?もしかしてゲームとか物語で出てきたりするモンスターみたいなの?あんなの居たら怖いんだけど…
あと妖精って何?精霊とは違うの?
てか、トロルじゃなくてトロナだし…。)
『そうそう、僕たち精霊と親戚みたいな?元々は妖精も精霊だったんだせどね。』
『いやいや、何それ!?てか妖精なんて初めて聞いたんだけど。習ってないわよ!?』
『それはそうだよ。僕たち精霊は基本、人間に興味持たないし。心から人間と関わりたいって精霊しか妖精にはなれないよ。』
『えぇー?人間に関わりたいってことは妖精って誰でも見ることができるの?』
『そんな事ないよ。もし誰にでも見えたら人間に捕まってなにされるか解らないじゃないか。彼ら妖精は自分で決めて精霊から妖精に変異するけど、姿を見せたり消したりするのも自分の意思でできるのさ。』
『じゃあ、リクも妖精になることができるの?』
『出来る出来ないで言ったらできるけれど、僕は妖精にはならないよ。妖精になるにも、もちろんデメリットがあるからね。』
『その、デメリットってなんなの?』
『そんな事よりも、あれっていつもマリーンが遊んでる兄ちゃんじゃない?』
なんだかはぐらかされた感がするが言われた方へ目を向けるとジョン兄がいた。公園で一緒に居た痩せた男に向かってジョン兄は何か必死に話しかけ、それをニヤついた顔で聞きながら小瓶を振る痩せた男が路地裏の奥に見える。
悔しそうに顔を歪ませ額を地面に付け懇願している様子のジョン兄を見てただならぬ感じがして、咄嗟にジョン兄に向かって足を進めると足音に気づいた痩せた男が此方を向き驚きに目を見開いたあと悪どい顔でニヤついた。
「ジョン兄。」
ジョン兄に声をかけるとチラリと私を見たあと焦った声で痩せた男に話しかけた。
「この子は関係ありません。許して下さい。」
「おいおい、ジョン。居るじゃねぇか上玉が。ほれ、これが約束の薬だ。これで、あの嬢ちゃんも治るはずだぜ。」
持っていた小瓶をポイッと投げ私の方へニヤニヤしながら近づいて来て「ほれ、嬢ちゃん行くぜ。」と言われ手を引かれた。微かな嫌悪感を感じるもジョン兄が気になり手を引かれながら後ろを見ると「待って下さい!」と立ち上がり駆け寄るジョン兄が見えた。ジョン兄が追って来ているのに気付いた男は私の手を握ったまま踵を返しジョン兄に向かって苛立たしげな声で迫った。
「ああ"ん!?てめぇが欲しがってた薬を渡しただろうが!!」
男の顔は見えないが軽薄そうな声から一転して声を荒げた。その声にビクッと肩が跳ね驚きと少しの恐怖を感じながらジョン兄を見ると青ざめた顔をしていた。
「けっ、けれど、その子は関係なく…約束が違います…」
「どーせ、金も用意できねぇんだろぅが!?俺はこの上玉ちゃんが気に入ったの。俺は上玉ちゃん、ジョンホン君は薬。お互い欲しいものが手に入ったんだから文句言うなよな~。」
「けっ、けれど…。」
「…お前の妹分に早く薬飲ませないとヤバいんじゃないの?」
ジョン兄は引き留めようとしていたが男がジョン兄の肩に手を置き耳元で何か呟くとジョン兄は薬瓶を握りしめ俯き何も言わなくなった。
「さ~て、上玉ちゃん。お兄さんと一緒に楽しい所へ遊びに行こうか。」
男のそんな声を耳に手を引かれながら私は「ジョン兄?」と呟くがジョン兄が顔を上げることはなかった。
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『ねぇねぇ、マリーン。この不味そうな魔力の男に着いて行って大丈夫なの?』
男に手を引かれながら呆然としているとリクから声をかけられハッとし周りを見渡すと来たことない道を歩いていた。ゴミが散乱していて、お世辞にも綺麗とは言えない裏道であろう場所を歩いており嫌な感じの視線も複数感じた。
ここに来てやっとヤバいんじゃないかと思った私は上機嫌で私の手を引く男に話しかけた。
「あっ、あの~。」
「ん?どうしたの?上玉ちゃん♪」
「そろそろ遅くなりますし、私帰りますね。」
「んん~?ダメダメ~。もうすぐ楽しい所に着くからね~。」
逃がさないと言うように繋いでいた手を強く握られ少し痛みを感じながら私は引きつった笑みを浮かべた。
(ヤバいヤバいヤバい!これ絶対着いてっちゃ駄目なやつじゃん!)
「ヤッ、離して!」
腕を強く振り上げ、その勢いのまま振り下ろすと握られていた手が離れホッと息を吐いた。
「おぃおぃ、上玉ちゃ~ん。そりゃないぜ~。」
男の声に目を向けると軽薄そうに笑っているのに瞳の奥は濁っていて私は恐怖を感じ踵を返し走り出した。後ろの方では「おいかけっこか~?」と感情が籠らない声が聞こえ恐怖を炊きたてた。とにかく離れないとっと思い道もわからず走り続け大分離れた所で壁に寄りかかり息を整えていると急に口元を布で覆われプツンと意識がなくなった。




