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私は今王宮に戻るために馬車に乗り揺られてる最中だ。いや、実際には浮いてるから全く揺れてはいないんだけどね。
それにしても、ノットのお父さんは気持ち悪い体型だけじゃなく性格も悪かった。アニータが帰ってきてから、あの後どうなったのか話を聞くと、あんなに私たちの前でもノットを邪険にしてたのに一人息子だから連れて行かれたら工房を継ぐ人が居なくなり困るだの言い始めたらしく遠回しに金銭を要求してきたそうだ。
アニータは「王族からの、お召し上がりはとても名誉な事なのに、なんて無礼な方でしょうか」と言いながら帰ってきた。なんでも王族から気に入られたら周りから一目置かれ、勉強しながら衣食住を保証され給料まででるから羨ましがられるそうだ。お金貰って勉強して更に気に入られてるから出世街道まっしぐら扱いらしい。
貰った給金は自由に使っていいから今まで王族に気に入られて来た人は、その給金の一部を実家に送ってたみたいだけどノットのお父さんは業突く張りでノットは成人してないから給金は親の自分に全て送るように言ったのだ。
この国では16才で成人と見なされるのだがノットは13才だったのだ。まさかの同じ年!それを知った時、私は年下感をアピールしノットに甘えたように「マリーンと遊ぼ?」なんて言動をした様子が脳裏によみがえり身悶えた。そして納得した。てっきり成人間際か成人してると思ってたが成人前なら、そりゃ夜中に出歩いて宿屋なんて来れないわ。この世界の子どもエヴァンにしろノットにしろ実年齢と見た目がおかしいわ。私の見た目は見るからに13才なのに…。
嘘です。お忍びで出掛けたら10才に間違えられます。
まぁ、そんなこんなであまりにもノット父が渋り帰りが遅いアニータを迎えに騎士数人向かわせた所、騎士がアニータの後ろに立ち無言の圧力をかけ給金はノットに払うものであるから別に手切れ金として一般家庭からしたら結構な額を払うことで納得してもらい今後ノット父からは関わりをもたない契約をしてもらった。
もちろんノットから関わりを持つ分には問題ないし成人までの3年間の給金に比べたら手切れ金は半分にも満たない。私はドレスやらアクセサリーなど他の人と比べて購入していないので毎年必要経費としていただいてるお金は余りに余っている。なので、そこから支払ったのだ。今後はその経費からノットの衣食住と給金を出さなければならなくなるが微々たるものだ。それほど経費が貰えるのだが前世庶民な私は使い道もなく持て余しているのが現状だ。
この経費も国民の税金なので趣味には使えないなぁ~と思い貯まるばかりだったので今回一民のノットに使っても問題ないだろうっと思ったのだ。
「ねぇ様、ねぇ様!」
馬車の中でボーっと今までの事を考えていたらエヴァンが拗ねた顔をして私を見て呼んでいた。
「ねぇ様、また僕と居るのに考え事ですか?」
「エヴァン、大好きよ。」
チラリと見ると頬を膨らませ見るからに拗ねてるエヴァンがいて、『くぅ~!!何この可愛い顔!エヴァンの独占欲可愛いすぎ!』と心の中で身悶えながら口から勝手に言葉が出ていた。
「ねぇ様!僕も大好きです!むぎゅー!!」
私の大好き発言を聞き目を輝かせ抱きついてきたエヴァンを私は、だらしない顔になっているであろうと自覚しつつギュッと抱き締めた。
まったり、エヴァンを抱擁していると馬車のドアがノックされた。
「エヴァン様、姫様、今日の宿泊場所に着きました。ドアを開けても宜しいでしょうか?」
エヴァンに離れてもらい了承しエヴァンと二人で馬車から降り宿屋まで行くと、すかさずアニータがお茶を入れてくれたので一息ついた。
「ふぅ~。そう言えばノットはどこに居るの?」
「ノット様は、まだまだ姫様の御前に出せませんので最低でも一月はお会いできないと思いますわ。」
「えっ?一月も…?」
「さようでございます。姫様の話し相手として連れてきたとしても王宮に住むのであれば、ある程度の礼儀を身に付けなければ王宮で過ごすにあたりノット様が不憫な思いをなさりますゆえ、礼儀は私アニータが、あとヤン様より護身術など学ばれております。」
そんな理由があったのか。村から出る時に私は一緒の馬車にノットを乗せ親交をはかるつもりだったのにアニータたちがノットを連れ出し馬車で待っている間に出発していたから気になっていたのだ。しかし、私が連れ出したのに他の人に任せて一月も放っておくのは気がひける。どうしたものか…。




