第23話 軍団の誕生 (怨霊幼女編最終話)
閻魔法廷を後にした我々はアパートに戻って来ていた。
例のピュア鬼四人も一緒である。
まだ平日の昼間なのでサダと俺のボディは出勤していて、ここには居ない。
とりあえず少し休もうと言う事になったが、相変わらずピュア鬼たちは騒がしくしている。
そこで、ニーナが押入れを魔改造した。
押し入れと異空間を繋げ、ピュア鬼たちが心置きなく遊べるよう大きな部屋を異空間内に用意したのだ。
「こういうの、何かの作品で見たような気もするが……」
「ん? 何だ千造?」
「い、いや、何でもない。 って言うか、凄いね、ニーナ。こんな事もできるのかよ」
「ま、まあな……」
ピュア鬼たちはその大部屋——子供部屋とでも呼ぼうか——を気に入り、今度はそっちで元気に遊び始た。
なんでも有りだなと感動しつつも、これでようやく一安心だ。
やれやれである。
それで、皆この後は自由時間にする事にした。
俺はとりあえず昼寝。
ゲツは散歩に出かけた。
ニーナは……
「異空間に自分用の部屋も作る事にした」
と言い、押し入れに入っていく。
「お、おう、了解……お、お疲れさん」
「お、オツカレ……」
そう言って異空間に消えていった。
——ってか、あれ? ニーナって、いつのまに、この閻魔の代理執行チームの正式メンバーになったんだっけ?
……ま、いっか……。
……
どれくらい眠っただろうか。
ピュア鬼たちに起こされた。
「千造、起きて〜」
「……え? あ、……お、おう……」
ん?
こ、この子たち、なんか成長した?
と言うのが彼らを見た時の第一印象だった。
体つきはほぼ同じなのだが、少しだけ落ち着いた雰囲気になっている気がしたからだ。
「ってか、普通に話せるようになってるし!」
そんなピュア鬼たちが「見せたいものがある」みたいな事を言う。
既にゲツもニーナもアパートの部屋に戻って来ていた。
それで、コタツの周りに集まったわけだが……。
こたつの上には『子供の落書きかな?』と思われる用紙が何枚も置いてあった。
あ、小さな子供が『うまく描けたから見て、褒めて』みたいに言うお決まりのやつね。それで適当に近くの落書きを取ろうとしたが——
突如、ピュア鬼の一人がコタツの上の紙をパンパンと全部払いのけ、そこへ新たに大きな紙をバサっと拡げた。
A4用紙を何枚かテープでつなげて作ったようだ。
その大きな紙には何やらプレゼンのような絵や文字などが描かれていた。
その突然の行動に驚き呆気に取られる。
プレゼンの題名と思われる部分には『我らの役割とゴール、それを達成するための行動について』と書かれていた。
え?
——って、もう文字も書けるようになったのかよ!?
するとピュア鬼たちが声を揃えてその題名を読み、さらに下に書いてある内容についても読み上げ始めた。
「一つ、我らピュア鬼は千造たちをサポートする!」
「一つ、我らはまずこの世の虐待という悪事について調べる!」
「一つ、我らは押し入れの異空間を拠点とし、活動を開始する!」
そこには組織図らしきものも描かれており、最上部の円の中には『千造、ゲツ、ニーナ』の名前がある。
そして、その最上部の円の直下に描かれた別な円の中には、『ピュア鬼軍団』と書かれていた。
「……ま、まじか……!?」
と言う事でピュア鬼軍団なるものが、ここに爆誕したのである!
……
それにしても……
『ピュア鬼軍団』にせよ『ピュア鬼たち』にせよ、今のままでは一人一人に名前が無くて不便だ。
そこで名付けをする事になった。
都合の良いことに四人ともいつの間にか髪の毛が薄ら生えてきており、それぞれの髪色が明らかに違った。
ピンク、ブルー、グリーン、イエロー……。
な、なんか戦隊モノっぽいけど……。
ま……いっか。
「よし、今日から君は……『ピュア・ピンク』! 君は『ピュア・ブルー』! 君は『ピュア・グリーン』! そして君は『ピュア・イエロー』だ!」
そう名付けてあげると、各々がめっちゃ嬉しそうに自分や仲間の名前を連呼し、笑い合い、目を輝かせた。
「ピュア鬼軍団よ、頑張っておくれ!」
「「「「ハーイ!」」」」
そして四人とも、お祭り騒ぎのように喜び、叫び、はしゃぎながら押し入れの異空間に消えていった。
あ……!
あのピュア鬼たちが閻魔女王様の言っていた『増員メンバー』って事!?
ま、まさかね……
い、いや、マジですか〜!?
……こ、これから、いったい何が始まるのやら……。
なぜかこの事態にワクワクしてしまっている俺がいた。
〜 怨霊幼女篇 本編完 〜
(エピローグへつづく)
ココまでお読み頂き有難うございます。
まこマZ




