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不満爆発

 クリスマスも終わり、いつものように年末年始を欠勤してやった。

 久しぶりの休み。一つも寝ずに遊び尽くして年を越してやった。


 あと2年、欠勤してやろうかなあ・・・

 まあ、それはともかく、年末は久しぶりに実家に帰り、ニワトリの世話をしてあげた。

 再就職できなきゃ、ここだな・・・



「センパ~イ、久しぶりだねえ。」

「あら、初日の出で爆走したの?」

「ああ。入院してたヤツらも無事に出てきたから、景気づけに一発かましてきた。」

「うちの裏手が静かならどこでかましてもいいわ。」


 そう言えば、天界にも何故か昼と夜があるんだよなあ、なんて考えているとコールが鳴る。


「ご利用ありがとうございます。異世界転生カスタマーセンター、お客様サービス係でございます。」

「私、異世界で貴族令嬢をやっているジョセフィーヌ・オルドスと申しますわ。」

「ジョセフィーヌ様ですね。それではご用件をお伺いします。」

「相談は私の親友の件ですの。彼女、婚約破棄されてそれを一度は受け入れたのですが、復縁の話に揺らいでしまっておりますの。何か良い方法は無いかしら。」


「ご親友の方は転生者でしょうか?」

「いいえ。NPCというのかしら。それね。」

「では、お調べします。ジョセフィーヌ様の前世のお名前をお聞きしても?」

「勅使河原晏と申しますわ。」

「テシガワラ様、B-AO2500『別れた方が良いの?婚約破棄から始まるドキドキ甘々生活』の世界ですね。」


「ということは、復縁した方がドキドキ甘々なのでしょうか。」

「まあ、色々分岐があって選択次第ではありますが、これから多くの殿方に言い寄られる運命なのは間違いありません。」

「では、元婚約者以外の選択もあるのですね。」

「もちろんです。それで、元婚約者はどういった方なのですか?」

「皇太子ですわ。アレもNPCね。」


「それで、すでに皇太子から婚約破棄をされてしまった後なのですね。」

「ええ、一月前に。その後は皇太子と新たな婚約者が新たなスタートを切ったと思ったんだけどその子、色んな男子に手を出してたみたい。それで修羅場になって陛下からも婚約の見直しを迫られたとのが、つい先週の出来事ね。」

「皇太子は復縁を進めたい立場なのですね。」

「そうね。今度失敗したら次期皇帝の座が絶望的になるからね。甘い言葉で復縁を申し込んでるわ。」


「しかし、ご親友の方が復縁を望まれるのであれば、やむを得ないことだと思いますが。」

「私は、今まで彼女が思い悩む姿をたくさん見てきたの。だからあのク○皇子とやっと別れることができて喜んだの。それが、また全てが軽い男の口車に乗りそうなの。NPCだから簡単に騙されるのよ。」

「確かに、NPCの能力は若干低めに設定されるものですからね。」

「よく復縁しちゃう物語ってあるけど、どうしてあんな不誠実な男を許せるのか、理解に苦しむわ。」

「それはどの世界にも普通に起きることですよ。」

「でも、ずっと軽んじられて疎まれて捨てられて。反省したからゴメンでコロッと行っちゃうなんて信じられないし信用できない。何よりあんないい子がいいように扱われるなんて許せないわ。」


「まあ、次期皇帝の座を射止めるためだけの打算的な行動かも知れませんね。」

「絶対そうに違いないわ。それにしても、どうしてあんなストーリーが多いのかしら。」

「そうですね。人気があるのは間違い無いようです。ただし、よほど男性キャラが素晴らしい人間性を持っていないと成立しませんね。」

「顔だけはいいわよ。顔だけは。」

「ご親友の方はルックス重視なのですか?」

「いいえ、。でもかなりお花畑よ。そこが良い所だけど。」


「でも、どうしてこういう復縁話のストーリーって多いのかしら?」

「人気があるからじゃ無いでしょうか。」

「それも復縁相手は必ず顔の良い身分の高い男ばかりよ。まるでそういった男なら浮気が許されるみたいな風潮がヤなの。それを間近で見せられると本当にイライラするわ。」

「そうですね。貧しい農夫が復縁相手のストーリーは聞きませんね。」

「相手が貧しいブサメンなら、金持ちイケメンがヒロインをかっ攫っていくわ。あれって何が違うの?やってること同じなのに。」


「女子ウケが違うのだと思います。」

「誠実な相手と作るささやかな幸せこそ価値があるってことを女子の方も自覚しないといけないってことね。」

「皆さん、現実世界ではそうしていると思いますよ。」

「でも、彼女だってNPCだけど、現実の人よ。」

「まだ若くて、初めての経験だったのではないでしょうか。」

「やり直しが難しい相手なんだから、初めてでも慎重になって欲しいわ。」

「まあ、彼女のご実家の考えが優先されますが、敢えて首を突っ込むなら、他の殿方をお薦めするのが良いでしょう。別れた方が良いの?って疑問型のタイトルですし。」


「そうなんですね。じゃあ、私の兄でもいいかしら。」

「負けないくらいのイケメンなら、あるいは。」

「分かりましたわ。それしかありませんわね。」

「では、泥沼第二弾、頑張って下さい。」

「ありがとうございました。」

 こうして電話は終わった。


「一発ぶん殴ってやればいいのよ。」

「アンタの実地研修、ここでもいいかもね。」

「国ごと滅ぼしてやるわよ。」

「それにしても、どうして男の方がク○率高いのかしら。」

「神様は逆だねえ。」

「言われてみればそうね。」


 ふと思った。地上は天界のアンチテーゼかな?

 いや、違うな・・・


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