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LE-389さま
ある日の昼 ふとこぼれた笑み
見上げた空には 雲ひとつ無く
空の青さが 目に染みる
頭上に輝く 太陽の
突き刺すような 鋭い陽射しが
今日という日を 強く彩る
遠く確かに 響く足音
家々の窓の 向こう側
私の姿を 眺める者も
堪えきれずに 騒ぎ出す
多くの視線を 浴びながら
とうとう奴が 現れた
呼んだ私と 呼ばれた奴と
通りの真ん中 向かい合う
ひとつの言葉も 交わすことなく
ただただ視線で 射抜きあう
互いの間に 言葉は不要
やりとりするのは 弾と命だけ
何かの倒れる 物音を
合図に放つ 鉛弾
僅かに遅れて 銃声を
響かせた奴が 倒れ伏す
明日の陽射しを 浴びるのは
今日を生き延びた この私