3話~タイムリミット~
あれ、エンジンの音がする。
僕は"目を開けた"。
「あ、母さん? 服、何買ったの…ってえええ!」
何に驚いたかって? それは、自分が着ている服の事だ。
服のことはよく判らないので省略するが、露出が多いということだけは、はっきり言える。
「母さん! この服は何っ!?」
「服だけど」
「露出の、この多さはなにさっ!」
そう、胸の半分ぐらいは出してるし……。しかも、このスカート短すぎて太ももが。
「いいじゃない……。その方が魅力的でしょ?」
たしかにそうだけど……って危ない危ない、洗脳されるところだった。
「――じゃない」
「そうなのよ」
「むぅ……」これ以上、母さんに言っても無駄だよね。
携帯電話を取り出してメールを確認する。――優奈からだった。
[From:優奈
Sub:Re2:今日、暇?
身体?まあ、いいわ。それじゃあ、またね。]という内容が書いてあった。
「はあ……。2学期どうしよう」そうなのである。今日から夏休みなのだ。
いつもなら、夏休みを充実して楽しんでいるのに。
「その事なら大丈夫よ」
母さんの言葉を最後にして静寂が流れる。――それは、家に着くまで続いた。
家に着いて、すぐに自分の部屋に飛び込んだ。――この服装を見られたくないから。
男物の服に着替えなおして、今まで着ていた服を洗濯機に入れに行ってベッドに飛び込んだ。
その時、チャイムが鳴った。
「優希。いるんでしょ? 入るわよ」
今まさに家に入ろうとしている優奈。――たしかに勝手に家に入ってもいい、と言ったけれども今はまずい。
どうする、と考えている内にタイムリミット―優奈が僕の部屋の扉を開ける―が近づいている。
既に、階段から足音がするので逃走は不可能。




