2話~ぼくは人形です~
僕こと風見 優希は、母さんに無理やり今日の予定を立てられて、買い物に行くことになった。
「優希ちゃん。行くわよ♪」と最後に音符が付きそうな感じだった。
さて、今の僕の服装は、ジーパン,黒色の長袖にパーカーといった格好だ。――勿論、全て男物だ。
「今行く…」と母さんに言って、財布と携帯電話を持って買い物に出発した。
車に乗って、隣町の有名なショッピングセンターへ向かっていた。
僕は携帯電話を弄っている。――友達とメール……なんて事は無く、ただ有名な某ゲームサイトを開いてゲームをしているだけだ。
メール受信画面に変わったので、届いたメールを見た。――幼なじみの優奈からだった。
[From:優奈
Sub:今日、暇?]
僕は、優奈からのメールなので本文を読む為にメールを開いた。
[隣町のショッピングセンターの買い物、付き合ってほしいな
忙しいなら、いいけどねっ!]
と随分、短いものだった。
僕は、すぐさま返信をする。
[To:優奈
Sub:Re:今日、暇?
ごめん、今日忙しいから…。
僕の身体が色々と大変だからね。]
と打って送信した。
すぐに返事がきたがそれは無視した。――僕の現状を伝えないといけないような気がしたから。
「僕、これからどうなるんだろう」という問いの答えは、かえってこなかった。
エンジンが止まった。ショッピングセンターに着いたのだ。
僕は無言でドアを開けて車から出て――都会の空気だから、少し苦しいが。――深呼吸をする。
「母さん。僕"寝てる"から後よろしく」――これは僕の特技の内の思考殺しである。
――この判断が、間違っていた事に気づくのは今の僕には考えつかなかった。




