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第八話 秘密警察

 零とポニーテールの女性は無言で見つめ合う。

零は目の前のその女性をこの地区に来てから

以前どこかで見たような気がしたが、

今は黙っておく事にした。


ポニテの女性

「……名前は?」

「名前を答えたら、仲間にしてくれる?

話を聞いて欲しいの」

ポニテの女性

「名前は!?」

「……十零 (つなし れい)よ」

ポニテの女性

「ギュータン、頼む。検索してくれ」



挿絵(By みてみん)

ギュータン

「はいはーい」カチャカチャ……


 ギュータンと呼ばれてる派手な髪の女性が

零の名前から個人情報を調べている。


ギュータン

「……うん、確かに警察官だね、当たり~。

うーん、でも最近外から来たばっかみたいだよ」

「外の警察から来た潜入捜査官なのよ。

目的は、このウーマン地区で

妊娠出産が起きている謎を捜査する事なの。

ねえあなた、レジスタンスって事は、

この地区に何か不満や疑念があるって事でしょ?

この地区の秘密を何か知ってるんじゃないの?

ねえ、協力しましょ?私もあなた達に

警察の情報教えるから、

あなた達も私に知ってる事教えて欲しいの」

ポニテの女性

「……お前はこの地区をどう思う?」

「そうね、聞き込みでは区民の皆は

ここは楽園だって言ってたけど、

私は少し困惑してるわ。男が居ないのは

安心できる事もあるけど、

何か不自然な物を感じるわね」

ポニテの女性

「楽園か……ここは楽園じゃない。監獄だ」

「え?どういう事?」

ポニテの女性

「ここは常に区民が監視され、

同調圧力で幸せを押し付けられてるだけだ。

妊娠出産の秘密を聞いたり、

男に会いたいとか、男を肯定するような

発言をすれば、

巡回してる秘密警察に見つかり、連行される」

「秘密警察って何の事?」

ポニテの女性

「何だお前知らないのか?本当に警察か?」

ギュータン

「待って、秘密警察は警察でも一部の人しか

知らないんだよー?

その銀髪ちゃん来たばっかじゃん?」

ポニテの女性

「……まあ無理もないか。

秘密警察ってのはな、この地区を常に巡回して

区民を監視してる私服警官みたいなもんだ。

あいつらに妊娠出産の秘密を知ろうとする

発言や、外に出て男と会おうとしてる事が

バレたら、即座に連行される。

 場合によっては強制執行員が猛スピードで

やって来てその場で制裁を喰らう事もある」

「そんな組織が存在してるのね……

この前私が聞き込みの時区民の皆が

楽園とか理想郷とか、そう!それと

天使を疑ってたら天使に叱られるよみたいな事

言ってたのも、その秘密警察を

警戒してたって事?」

ポニテの女性

「かもな。ここは常に

秘密警察に目を付けられるような発言を

してしまわない様にビクビクしながら

暮らさないといけない場所なんだ」

「……ありがとう、教えてくれて。

あなた、名前は?」

ポニテの女性

「まだ仲間だと決まってないお前に

教える気は無い」

ギュータン

「はーじーめー!意地張らなくてイーじゃん!

銀髪ちゃん嘘ついてる挙動は見えないよ」

はじめ

「バカ!名前で呼ぶな!ギュータン!」

ギュータン

「はじめだって今あーしの事名前で

呼んでんじゃん?」

「はじめって言うのね?ねえはじめ、

あなた達の目的は何?」

はじめ

「私達の目的は、この地区での妊娠出産の秘密を

究明する事、それと、この地区をぶっ潰す事だ」

「なら利害関係一致してるじゃない!

協力しましょ!私ここで警察やってるから

警察の情報あげるわ。代わりにこの地区の秘密、

特に、天使の塔について教えて欲しいの。

それと……テレビの演説で地区長が言ってた

天使の翼の事も。ねえ、何か知らない?」

はじめ

「勘違いするな。まだお前を仲間とは

認めてない」

「そう、残念だわ……ねえ」

はじめ

「何だ?」

「あなた、前に会った事あったっけ?

どっかで見た気がするんだけど……」

はじめ

「…………」


 ドガーン!!

入口を爆破し、警察が再度突入して来た。

レジスタンス達は反撃し、銃撃戦になる。

ダダダダダ! タタタタタン! ズドン!

そこは銃声が鳴り響く戦場になった。

 警察達は以前より武装を強化し

火力を上げて攻め続ける。

レジスタンス達は徐々に劣勢になっていく。


レジスタンス

「ここはもう駄目だ!はじめ!

お前達は行け!」

はじめ

「バカ言うな!奴らをぶっ殺すだけだ!」

レジスタンス

「お前が希望なんだ!奴らを食い止める!

その間に車で逃げろ!皆の命を無駄にするな!」

はじめ

「……クソ!すまない!ギュータン!来い!」


レジスタンス達

「グアーー!!」「ギャーー!!」


 仲間がやられる中はじめとギュータンは

ピックアップトラックに乗り込み脱走した。


ブオオオオオ……


 追跡しようとする警察達をレジスタンス達が

迎え撃つ。


レジスタンス達

「グオ!!」「しまったーー!!」


 ピックアップトラックで猛スピードで逃走する

はじめとギュータンが

ドアミラーで後方を見ると、そこに映るのは、

仲間達が警察の銃弾に倒れていく瞬間だった。


はじめ

「クソ、みんな……すまない……」


ドンドンドン!


はじめ

「!!え?ああ!!おまえ!何やってんだ!!」


 はじめが後ろを振り向くと、混乱に紛れて

ピックアップトラックの荷台に

飛び乗っていた零が

リアガラスを叩いてはじめを呼んでいた。


「ねえ!私も連れてって」 ドンドン!

はじめ

「……お前正気か?」

ギュータン

「ねえ!!あれ!!来たよーーー!!!」

はじめ

「!!!ヤバイ!!!終わりだーーー!!!」

「!???」


 零が後ろを振り向くと、高速道路の

遥か後ろから、黒いスポーツバイクが

猛スピードで走って来るのが見えた。


フォオオオオオオオオオオオン!!

可也遠く後ろを走ってても殺気を感じる

その黒いバイクは轟音を響かせながら

見る見る内に近づいて来る。


「ねえ!はじめ!あれ何!!?」

はじめ

「あいつが強制執行員だ!!!!!」


つづく





挿絵(By みてみん)

はじめ

「なんか、バイクが追いかけて来たぞ!

続きが気になるよって人は

高評価とかブクマとかよろしくなー!」

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