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最終話 最後の記録


挿絵(By みてみん)

「えっと、これが最後の記録よ……

捜査終了。当初の目的だった、

女性限定地区で妊娠・出産が起きている謎、

に関する詳細は、

髪の毛から作った人工精子で妊娠してたって事。

女性の髪の毛から作った人工精子だから

絶対にオス、じゃなくて、男が産まれなかった。

そういう事ね。


 一人でも妊娠出来る謎の実態は、

髪の毛から人工精子を作った本人の卵子と

その人工精子を体外受精させて、事実上の

双子を妊娠してたのよ。


 これに目を付けた地区長は拒絶反応の出ない

スペアボディーを販売する延命産業を

計画してたわ。明らかに倫理違反ね。

この地区、ウーマン地区は地区長の大きな

実験場だったって事ね。女性達は

皆地区長にとってはモルモットみたいな物

だったんでしょうね。


 東京へ男だけに効く殺人ウイルスを散布する

天使の翼なんとかってやつも

何とか食い止めたわ……あの人のお陰でね。

地区長は私が手錠をかけてやったわ。


 あの後はじめが地区長になって、その権限で

この地区は解散する事になったわ。

これが、今回の捜査の全て……


 ハアー、なんか、ここで捜査してて思った事、

言葉にしておきたいって思うの…………


 はじめに言われたのよね、洗脳されてた

フリしてたんだろ?って……

フリじゃなくて、本当に洗脳されてたわ、私……

あの時、ずっとここで生きて行こうって、

もう男と縁を切って生きて行こうって

本気で思ってたわ。

地区長からこの地区の真実や延命産業や

あまりに酷い話を聞いて、洗脳が解けたけど、

それが無かったら、今でもこの地区に

依存してるかも……


 女性だけの地区って、確かに安心だし、

安全なんだけど、なんだろう、ずっと

違和感とか、不自然とか、

そんな感覚が引っかかってたわ。

社会のシステムとしては、女性の理想かも

知れないけれど、でも、それが

女性の幸せに繋がるとは言えないって思うのよ。

何かが足りないって、何か、本能的に、

そう思うのよね……

 じゃあその何かって何だろう?

男が居ればそれが満たされるのかな?……

それはまだ、うーん、良く分からないけれど、

少なくとも、この地区みたいに

女性だけの社会って言うのは無理があるって、

それだけはハッキリ言えるわ。


 あの人、強制執行員も言ってたわね、

無人機の上で、

お前は我々のようにはなるなって……

そう、あの人は私に助言してたんだわ……

 私、失恋してから恋をするのが怖くて、

ずっと男を避けて来たのに、

地区長にも簡単に洗脳されてたのに、

地区長が、無人機で男だけに効く

殺人ウイルスを東京にばら撒くって言ってた時、

必死になって無人機を追って、

バイクで飛び移って、おまけに

爆弾持ったまま起動して

自爆しようとしてたのよね。

あの時本気で、男をウイルスから守る為に

死んでもいいって思ってたわ……

それって、つまり……そういう事なのかな?


 きっと……私の心も、

このウーマン地区の高い壁も、同じだと思うの。

ずっと、壁を作って……

自分を閉ざして来てたわ……長い間……

失恋の傷、左腕の傷、女性への差別、迫害、

そんな事があったら壁を作りたくなるのは

当然よね。誰だってそうなると思うわ。

でも、いつまでもそのままじゃダメだって、

この地区で過ごして思ったのよ。

この地区が解散して

外に目を向け始めたように、私も

自分を変えたいなって、そう思えて来たわ……


 今まで、ずっと過去の傷を隠して、

目を逸らして来たけど、これからは……

過去も自分の一部だって、そう思って、

それも含めて、

自分を認めて生きていきたいなって、思うの。

……だから、つまり、そのー……

また、恋が出来たら、いいなって……

やだ、何言ってんのかしら、私ったら……

もうおしまい、自分語りは、

もうこの辺で終わりね。


 よし、全ての捜査を終了。東京に帰還するわ」


挿絵(By みてみん)

「……でも、なんでだろう、なんだかちょっと、

……寂しいかも……」







翌々日 警視庁内



挿絵(By みてみん)

「十零、戻りました」

課長

「おお、無事に戻って来てくれたかね、零君。

私の頼んだお土産は、

ちゃんと届いたみたいだな。所で……」

「?…どうかしましたか?」

課長

「君のいつもの黒い手袋はどうしたんだね?」

「ああ、あれはもうやめました」


挿絵(By みてみん)

「もう、必要ありませんからね」






挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)







挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)


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