第二十四話 復活
はじめ
「…………母さん、あの時、私が出て行った時、
言ってくれたよな、私の事、特別な存在だって」
地区長
「そんな事もあったな」
はじめ
「あれは娘としてじゃなくて、実験体として
特別だって言ってたのか?
私の事、ずっと……実験体として接してたの?」
地区長
「勿論真の娘として愛したいに
決まっているだろう。だが、体はコピー出来ても
人の心はコピー出来んのでな……
お前が私の跡継ぎになれなかった時は、
お前を利用するしかないと、そう思っていたぞ。
そして、今がその時なようだ。
お前のその、特別な存在としての価値が
ようやく活かされる時が来たのだ」
はじめ
「……い、一体何の事?」
地区長
「私が考えたスペアボディービジネスの
最終目標はな、脳を入れ替える事だ。
体が老いた時に、若いスペアボディーに
脳を入れ替える。勿論我々の技術なら
拒絶反応は出ない。これで完全なる
『若返り』が成功するわけだ。
その為に亜里素に動いてもらった。
外から脳外科医を呼んで来させたのだ。
既に準備は整っているのだよ」
零
「!……」
(私が地区から出たのはな、
わざと東京の警察に保護され、警察内部に
侵入し、国民のデータベースにアクセスし、
優秀な女性の脳外科医達の個人情報を調べて
彼女達を洗脳し、
この地区に入居させる為だったんだ)
零
「……この為に脳外科医を……」
地区長
「人類にとっての永遠の夢、若返りを
この地区から世界に販売するのだ。
世界中の女性の資産家達が我々に
スペアボディーを売ってくれと
よだれを垂らして飛びついて来るだろうな。
この産業で我々は経済的に
日本を追い抜き、いずれ日本を乗っ取る。
これが私の最終目的だ。
本人の人工精子と本人の卵子の受精卵を
選別し、拒絶反応の出ない
完全なる双子を妊娠し、その
産まれた双子に脳を入れ替え若返る。
このスペアボディービジネスを生産化
する為に、人工精子の技術、それに
一人で妊娠出来る技術を今もこの地区で
磨き続け、研究改良を重ねている。
わかるか?娘よ。この地区、ウーマン地区は
延命産業の為の、私の広大な実験場なのだ。
はじめ、お前はこれから冷凍カプセルに入り
コールドスリープしてもらう。
お前が私の跡継ぎに相応しい女性に
なれなかったからには、私が地区長を続けるしか
あるまい。私が今より老いた時、
お前の体に私の脳を移し、若返った体になって
私は再びこの地区に復活するであろう」
はじめ
「…………ふ、ふざけんじゃない!
誰がそんな事認めるか!」
零
「素晴らしい!さすが地区長!」
はじめ
「!?お、おい零!」
零
「感動したわ!これでこの地区は永久に不滅ね」
地区長
「零、おまえはわかってくれるか」
はじめ
「零!どうしたんだよ!?」
零
「私を仲間として認めてくれるんですよね?
あなたに忠誠を誓いたい。
あなたのそばに寄ってもいいですか?」
地区長
「……いや、その前に銃を捨てろ」
ガランッ
零は銃を投げ捨てた。銃は床を滑り
遠ざかっていく。
零
「これでいいですか?地区長」
地区長
「ふむ、よかろう。新たな仲間、零よ。
私に寄り、ひざまずくが良い」
はじめ
「零!おい!しっかりしろ!」
一歩、一歩、零は地区長へ歩み寄り、
地区長の前で立膝をつき、頭を下げた。
零
「あなたに忠誠を誓います。護衛として、
あなたの後ろに居させてください」
地区長
「よかろう。私の護衛として、
三歩下がった場所から私を守るのだ」
零
「有難うございます」
はじめ
「おい零!どうしちまったんだよ!?
目を覚ましてくれよ!」
地区長
「では零、最初の仕事だ。
あの親不孝娘を捕まえて来い」
はじめ
「!零ーーー!」
零
「はじめ、大人しくして、あなたはもう
戦わなくていいの。だって……」
バッ!
零
「私がコイツを逮捕するから……」
地区長
「!!?……」
はじめ
「!!零!」
零
「甘いわね、銃を一丁しか持ってないと思ったら
大間違いよ。
このマッドサイエンティストめ。
お前を国家反逆罪で逮捕する!」
地区長
「……謀ったか!?零!……
執行員!こいつを倒せ!」
零
「あら?そういえばあのバイクさん居ないわね?
多分あなたの本性を知って、
あなたに愛想つかしちゃったんじゃない?
あなたはここまでよ!大人しくしなさい!」
地区長
「・・・・・・・・・・・」
スバッ
地区長は瞬時に膝を曲げ身を低くした!
零
「!!!」ターン!
零が銃を撃つ!銃は外れた!
地区長が刀を抜き、
零の居る後ろへ振り向きながら
居合切りの流れで真一文字に
零に斬り掛かる!
零
「ウアーーー!」
零は咄嗟に後ろに飛び退き刀を避けた!
零と地区長は距離を取り互いに睨み合う。
地区長
「…………私を、本気で怒らせたな……
零!!!貴様!斬り刻んでやるわあああ!!」
つづく
ギュータン
「いつもの零が戻って来たよー
零マジやるじゃん!って思った人は
高評価とかブクマとかしてあげてねー
零ちゃんもきっと喜ぶよーじゃねー」




