第十一話 天使の塔内部
零
「よし、完璧な変装ね」
はじめ
「うむ、完璧に別人だな」
通行人達
「何あいつら?」「キモイんだけど~」
「警察呼んだ方がいいんじゃない?」
「ていうかあの人警察でしょ?」
「ママ~あの人たちこわ~い」
「シー、見ちゃいけません!」……
零
「周囲にも完全に溶け込んでるわね」
はじめ
「ああ、どう見ても普通の一般人だ」
零とはじめにはツッコんでくれる人が
いなかった。
二人はワイヤレスイヤホン型の無線を
片耳にセットし、通信でギュータンと話す。
零
「ギュータン聞こえる?」
はじめ
「私の声はどうだ?」
ギュータン無線
「ね~二人とも逆に悪目立ちしてない?
今街の監視カメラハッキングして
二人を見てるけど、やっぱ変だよ~」
零
「そんな事ないわよ。実際誰も
話しかけて来ないじゃない」
ギュータン無線
「多分キモがられてるだけだと思うよ?」
はじめ
「誰かバレなきゃいいんだ。それより
中に入ったら録画見といてくれよ?」
ギュータン無線
「オケー」
はじめ
「よし行くか。なあ零?」
零
「どうしたの?」
はじめ
「お前変装しても手袋つけるんだな」
零
「あ、いいじゃない。いつ戦闘にになるか
分からないんだし。さ、行きましょ」
はじめ
「はいーーー、はじめですーーー」
二人は服の中に忍ばせた隠しカメラで
録画を始め、カップルになりすまし
天使の塔に入って行った。
二人は正面入り口を通り
正面受付へと堂々と進んでいく。
天使の塔受付
「いらっしゃ……何ですか?あなた達は?」
零
「私達カップルで結婚する予定なんです」
はじめ
「子供が欲しいから妊娠しに来たぞ」
天使の塔受付
「その格好は何ですか?……」
零
「関係ないでしょ?早く案内してよ」
はじめ
「多様性の時代だぞ、アップデートしろ」
天使の塔受付
「う……こちらのタブレットに必要事項入力し、
番号札の番号を呼ばれたら
カウンセリングルームへお進み下さい。チッ」
二人は入力を済ませベンチで待つ。
その間もトイレに行くフリやパンフレットを
見るフリをして施設内をウロウロして
エレベーターの位置、階段の位置、広さなどを
録画していく。
はじめ
「どう思う?怪しい所はあるか?」
零
「今の所普通ね。受付が愛想悪いぐらいね」
館内アナウンス
「7番の番号札のお客様 カウンセリングルーム
2号室へ お進みください」
二人はカウンセリングルームへ進む。
2号室に入るとカウンセラーが待ってた。
二人は椅子に座りカウンセラーと向き合う。
カウンセラー
「妊娠希望で間違いないでしょうか?」
零
「はい。あの、その前に聞きたいんですが」
カウンセラー
「どうしました?」
零
「どうやって妊娠するんですか?
ちゃんと知っておきたいんですけど」
カウンセラー
「全身麻酔で眠ってもらうだけですよ
何も心配いりません」
はじめ
「だから全身麻酔で眠って、
その後どうするかって聞いてんだよ!」
カウンセラー
「妊娠を希望する方の女性から卵子を取出し
体外受精によって受精卵を作り、
また女性の子宮に戻し着床させるんですよ。
納得いただけましたか?」
零
「……そうだったんですね」
はじめ
「いや待てよ。卵子と卵子でどうやって
妊娠できるんだ?どうやってる?」
カウンセラー
「申し訳ございませんが
これ以上はお答え出来ません」
零
「あの、一人でも妊娠出来るんですよね?
仮に卵子と卵子で妊娠できるとしても
一人だとパートナーの卵子も無いのに
どうやって妊娠するのでしょうか?」
カウンセラー
「お答えできません。どうされますか?
こちらの同意書にサインすれば同意成立して
妊娠施術に移りますが……」
零
「サインすれば答えてくれますか?」
カウンセラー
「いえ、サインしてもお答えできません」
零
「……ねえはじめ~
なんか怖くなってきちゃった~ん」
はじめ
「お~よしよし、じゃあやめとこっか~
帰らしてもらうわ、じゃな!」
二人は天使の塔を出た。
街を歩きながら二人は話す。
零
「分かった事は、体外受精してるって事ね
これは間違いないわ」
はじめ
「だとしても卵子と卵子でどうやって
受精してるかっていう新しい謎が出て来たな。
卵子が一つでも受精できるってのも
わからないな」
零
「でも可能性を絞り込めたのは収穫ね。
ギュータン?聞いてた?」
ギュータン無線
「バッチリ録画も録音も出来てるよー
館内のエレベーターとか階段とかも
把握しやすくなったよー」
はじめ
「よし、監視カメラで私ら見えてるか?
このまま次の作戦行くぞ?」
ギュータン無線
「任せてー怪しい奴いたらすぐ教えっからー」
零とはじめは目を合わせ頷く。
二人は街を歩きながら周囲に聞こえるような
大きな声でしゃべり始めた。
零
「いやーやっぱオスに会いたいなー」
はじめ
「ホントだよーオスがほしくて
たまんねーよー」
零
「やっぱ結局はオスだよねー」
はじめ
「ああ、やっぱオスしかないっしょー」
二人を監視カメラで見てるギュータンが、
二人を尾行しながら腕時計型の端末らしき物で
話してる青い服の女を見つけた。
ギュータン無線
「居た!真後ろ!腕時計型の電話で
話してる女!青い服!」
その直後零は真後ろへ駆け出し
青い服の女に一瞬で襲い掛かり
腹を思い切り殴った。
ズド! 「ぐう!」
青い服の女はうめき声を上げて失神した。
零
「大丈夫ですか?具合悪いですか?」
零は自分で失神させた青い服の女に
自分で声をかけて助けた。
はじめ
「大丈夫だから。倒れた人を助けてるだけだ。
気にすんな」
はじめは周囲の通行人に促した。
零
「場所を変えて休みましょうねー」
はじめ
「ギュータン、回収に来てくれ」
ギュータン無線
「オケ、すぐ行く」
人通りの少ない路地裏で待ってると
ピックアップトラックでギュータンが来た。
零
「さ、病院いきましょう病院」
はじめ
「病院つれて行こ―っと」
零とはじめは失神させた青い服の女を
無理矢理車に乗せすぐ走り出した。
零
「上手くいったわね」
はじめ
「ああ、ちょろいもんだ」
ギュータン
「ねーこの人どうするのー?」
零
「決まってるじゃない。尋問よ。
色々話してもらうわ。
ま、少々オテンバしちゃうかもね」
ブオオオオオオ!
トラックはあっという間に
街から消えて行った。
つづく
ギュータン
「へへへー、高評価とかブクマとか
してくんないと、
君のPCハッキングしちゃうかもよ~」




