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ねごすいやつら  作者: 安祥


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8/9

徳川萌ゆ

 この時代には、われらのホンターケ一統は本多平八さまと本多正信さまがツートップでした。

 平八さは、目から鼻に抜ける知能と、小柄ながら俊敏な身体、不退転の魂と三拍子そろった武将。対して正信さは闇夜の鵺にて、平八さ「あの佐渡が」と大嫌い。対して、正信さは「なにが生涯無傷や。あんなもん戦場で逃げ回っとる証拠だに」


 われらねごす一統は、当然のことながら正信さまに肩入れしておりましたなん。

 なにが元康だ。トヨタの自動車モナカうまいかもしれんけど、馬の骨がこの岡崎に来よって。攻め滅ぼしたる。多くの三河武士が静観するなか、正信さま一向宗に身を投じます。

 それならおれがと立ち上がったのが平八さまでした。あいつが一向宗ならおれは徳川さまにつく。

 これが本能に近い死すべき侍の処し方でした。どっちが死んでもホンダーケの血は絶えません。


 正信さま失敗。命からがら一向宗の本場越前加賀へと落ち延びました。そこでもなんとなく軍師格になって差配していました。非常の器であればこそ、なんとなくでもゆけてしまうんですね。

 さすがは北陸色白美人多いな。しかも選り取り見取りじゃんね。富樫風情なら勝てる。だが、信長が攻めてきたら、ここ潰れるだらあな。そしたらさ、ここでの武勲も三河に伝わっていようから、帰っちゃう? 家康さまにはご機嫌麗しゅう、この正信、大きくなって帰ってまいりました! とかね。ま、あかんか。


 そこでこの時代はねごす五郎と名乗っていたわれら一統の登場となります。軍師幕舎の莚をあげて入っていく。

 色白美人の乳を揉んでいた正信さま、キッと鋭い視線で威圧する。

 どちらさんですか。

 ヒヒ、わたしはねごす一統の者でございましてね。見るにここもそろそろのようで。帰ってきませんかね。

 今さらおれにどこへなんで帰れる理由がある?

 作れば良いと思います。信長さまの攻め口。一向宗の組織性格、そして火縄の知恵。これが徳川さまにはなによりの手土産。しかも今回は初回特典として大久保さまをおつけします!

 大久保てやあ、あの長安か。

 さようでございます。なにより現ナマですなあ、ひひひ。


 本多平八はじめ、三河武士団の冷たい視線。ところが神君家康公は、にまにま笑いながら真の友とまで持ち上げる。軍資金がなかったら、いかに武将が強かろうと戦争なんかできません。

 長安ヘッドハンティングできるって?

 渡りはつけてあります。

 ルールルー、ルールルー、夢膨らむ~。

 正信さまは大久保長安を使い捨てティッシュにしてなり上がっていきます。罪なやつさ、ああパシフィックの永ちゃんも真っ青。


 後々、もっと真っ青になったのが、本多の平八さまでした。

 おれ、外様?

 桑名に追いやられてしまったのでした。天下も平定されれば、武闘派いりません。

 しかるに治に居て乱を忘れず。今でも桑名多度大社では、馬駆け神事が伝わっております。今でも、お多度さんと呼ばれ信仰を集めていると聞きます。







この物語はフィクションであり、実在の地名、人物とは一切なんの関係もござりません。

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