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ラスティ ~霧の中で~  作者: しんねむ
霧の中へ
12/21

12(仮) イズミ

以前投稿したもの、11話までと繋がってない

広場が見えてきた。広場のベンチにはイズミが座っている。何処か遠くを見ているみたいだ。

昨日より罪悪感が薄れているような気がする。こっちから声を掛けてみよう…

「イズミさん、こんにちは」

「こんにちはラスティ」

「横に座ってもいい?」

「どうぞ、さんはいらないよ?」

「あ、うん」


横に座りイズミを見ると、太ももの上に乗せた手元にスマホが見える。

「ねぇイズミ、そのプレート(スマホ)ってさ。直ぐにバッテリーってやつが無くなるじゃない?」

スマホってやつは、電源を入れておくと数日でバッテリーが無くなってしまう。

「そう、だね」

「充電とかどうしてるの?」

疑問を直球で聞いてみた。

「普段は電源を切っているわ。滅多に電波が入らないしね」

「それに、まだ予備のバッテリーも残っているし…」

ああ…イズミもモバイルバッテリー(携帯用充電端末)を持っていたのか。


「なんかさ、ラスティの近くだと電波が入りやすい気がするの…ほら」

差し出されたスマホを見ると電波が二つ立っている。…中継基地かよ俺は。

「電波が入るのなら、…それで何かしようとか思わない?」

そう、家族や知り合いに連絡とか…「無理…だった」――余計な事を聞いたな。


「私、知り合いも少ないし…電波があっても、通話もメールも出来ないんだもの…

動画とかもね、何故かラスティのだけ(・・・・・・・)しか見れなかった」

まぁ…俺のスマホも着信は数回あったけれど、こっちから通話(・・)するのは出

来なかったしな…ていうか、イズミさん何か普通にぶっちゃけてますけど…


「そう、なんだ…」、「うん」…気まずい。

「じゃあさ、試しに私のプレート使ってみる?」

「いいの?」

「うん」

自分のスマホを差し出すと、一瞬ためらう様子を見せたが受け取るイズミ。

暫くするとスマホを返してくる。

「駄目みたい…でも、ありがとう」

――色々試していたが駄目なようだ。……更に余計な事をした…か。


「役に立たなくてごめん…」

「ラスティが謝らなくてもいいのに」

本当に役に立たないな俺は…。

「ねぇ、ラスティの拾ったプレートって、登録情報とかどうなって、るの?」

……薮蛇だったのかもしれない。

「うん?ちょっとまって」


連絡先とかの事だろうな…あれ?一件も登録が無い。消えている?

そもそも俺に家族や知り合いなんて居たのか?、ていうか俺の…名前は?

ラスティ…違う、そうじゃない。元の名前……、思い…出せない。

…そうだ、スマホの個人情報を見れば――ラスティ…ペッパー(雑貨屋)

名前も住所もラスティになっている…なんだこれ…。


「どうしたの?」

考え込んで無言になっているのを不審に思ったのか、イズミが声を掛けてきた。

「うん…これといった情報とか入ってない。それにほら、これ」

個人情報が表示された画面を見せる。

「え?なにこれ?」

そりゃ、そういう反応になるだろうさ。俺だって訳が分からないんだし…、

住所はともかく、名前などはスマホの操作のみでは変更出来ない。書類が必要なはず。


どうしよう…


――ポケットに入っていた方位球(方位磁石みたいな物)を掌に載せ、

すっとイズミの目の前に差し出す。既視感を感じる。というか昨日も同じ事をしたな…。


「この私が作った方位球をよく見て下さい」

と言うとイズミはマジマジと方位球を見る。

「そういう事です」……「?、詳しく」

と言われてもな…。

「つまり…私は天才なのでそういう事も出来てしまうのですっ!」

ドヤ顔で語ってしまう、というかごめん。

「ねぇ、それって犯罪なん…」

イズミの話に被せるように、

「いえ、犯罪ではありません。拾った物は落とした本人が3日、3日の間に名乗り出なければそれは…」

「それは?」

話に食いついてくるイズミ。


「そう、拾った人の物になるのです。つまり、このプレートは既に私の物なので、

こういう事をしても合法、のーぷろぶれむ、なのです」

――もちろんそんな事はない。口からの出任せである。申し訳ない。

「へぇー、そうだったんだ」納得されてしま…「ぷっ…そんな訳ないじゃない」

突然、イズミがくすりと笑った。顔を見ると瞳には涙が見える。

イズミはそれを人差し指で拭うと、――僕を(・・)抱きしめていた。


「ありがとう、ラスティ」

…なんで、だよ。どうしてそんな事を言うんだイズミ…僕は君の事を欺いているのに。

でも、罪悪感よりも心が温かくなってくる気がするのは何故なんだろう……


――イズミの肩越しにシェリスが見える……、立ち止まって何か考えている様子、

何かを察したのか。こう?、こうかな?みたいなジェスチャーをしだした。

ああ…何をやっているんだあの子は…、シェリスの中で何かが決まったのだろう。

親指を立てたあとに物陰に隠れた…意味が分からない。


座っているベンチの真下に気配を感じた――

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