11 飲食店トロースその3
作成日:2016年 05月17日 21時00分
執筆途中、推敲していないもの
……うおっなんだこれ。盛り過ぎってレベルじゃねー。
大食いチャレンジ的な大きさの木の器にドーンと肉がそびえ立っている。
『トントローススペシャル』ご飯、肉、ご飯、肉と積み重なり、その周りにも肉が貼り付けてあり。
天辺には野菜が山盛りに乗せてある丼物。美味そうではあるが量がやばい。食べきったからといって賞金は出ないが、食べ残すとペナルティが発生する。トロース名物料理の中のひとつ。
「一人じゃ無理だから二人で運んでちょうだい」
ミカサさんが言う。だろうね。マジで何キロあるんだこれ……。
ちょうどリミーナが戻ってきた。
「リミーナ手伝って」
「はいよー、ちっぱいさん」
誰がちっぱいさんやねん。いや、ちっぱいだけどさ。
脳内で突っ込みを入れ、リミーナと協力しながら風格の人の席へ運んだ。
リミーナがカウンターへ戻り、
「お待たせしました。こちらトントローススペシャル特盛りとなります」
「……ごくり」
と話すが、唾を飲み込みながらラスティを見つめるピーカー。
「いやいやいや、おかしいからー。ピーカーさん何でこっちを見て唾を飲み込むんです?」
「目の前にトントローススペシャル特盛りがあるじゃないですか?」
「……うん。いただき……ます」
その特盛りの量もおかしいんだけどさ。ピーカーの胴体くらいは軽くあるなこれ。
「ごゆっくりどうぞ」
軽くお辞儀をしカウンターへ振り返った瞬間、店内がざわめいた。
ピーカーの方向へ振り返りると、配膳したばかりのトントローススペシャルが既に半分ほど無くなっていた。
ピーカーは両手に木のフォークとスプーンを握り締めて、こちらを見つめている。
そのキュートな唇には肉汁が付いていた。ああ、そんなピーカーたんも可愛いよ……って、なんだこれ? 一秒くらいしか経ってないんだけど?
ま、まあいい……再びカウンターへと振り返る。ざわめく店内。ピーカーへと振り返るラスティ。
ピーカーはさっきと同じくこちらを見つめ同じ格好をしていたが、トントローススペシャル特盛りは既に完食したみたいだ。
……あれだ。何かを食べさせない。吸わせなかった事を根にもってたのかもしれないなピーカーさんは。
目がそう言っている。分かる分かる。でもそんなピーカーたんも可愛いよー。
「でもそんなピーカーたんも可愛いよー。食べちゃいたいよー」
「止めてください。リディアさん」
油断した……ピーカーさんを見ていたらリディアがまたやりやがってくれました。
なんだかな、絶対経験で分かるとかじゃないでしょそれ。怖いわー。
視線をピーカーに戻すと自身の着ている服で口を拭うピーカー。
……子供かよ。と突っ込みを入れたい。が、やめておこう。
視線をピーカーの目から唇へやると一瞬ニヤリとしたように見えた。
はいはい、してやったりですか。可愛い可愛い、もう可愛いで満腹ですよ私……じゃなくて俺は。
やれやれという感じでカウンターに戻る。
「お疲れラスティ、ところで今日は御使い? それとも何か食べる?」
「今更ですけど御使いで来たんです」
「そこにおばあちゃんから預かってきた『雑貨屋ペッパー特製胡椒』を置いてあります」
カウンターの端に置いた物を指差して言った。
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「えーと、その…」
「イズミ?、なら休憩で出ているわ。たぶん広場じゃないかしら」
「広場ですか?行ってみます」
「今度は食べにおいで」
「はい、ありがとうございます」
察しのいい人だ。店から出るとそのまま広場へ向かった。




