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11/24

1ー1

 それはわたしが七歳の時のこと。


 お母様のために花かんむりを作ろうと思ってお城を出たら、オオカミ少年に会ったの。


 オオカミ少年は、とても綺麗な灰色の耳と、ふさふさの尻尾を持っていて、出会った瞬間にときめいちゃった。


 でも、王族たるわたしがそんな簡単に恋をしてしまったなんて言えなくて、だから一緒に花かんむりを作ることになってうれしかったわ。


 たぶん、もう二度と会うことはないんだろうって思っていたけど。


「ゼロスはどこに住んでいるの? 洞窟?」

「あははっ。まさか。ちゃんとした家に住んでいるよ。そういうキャロルこそ、どこに住んでいるの?」


 お城だよ、なんて答えられなくて。だって、セバスチャンの目を忍んで出てきたんだから。


「うん。まぁ、この森の近くよ」


 そうして別れて。


 お祖父様からお父様に王位が継承されてから、森はあっという間に荒廃していったの。


 原因はお父様の病なんだけど。


 その病気がなんなのかはわかっていなかった。


 元気そうに見えても突然調子を崩すし、次の瞬間にはもう寝込んでいたりしたの。


 お医者様はお父様にその時々にあわせたお薬を調合してくれたけれど、その間にもあっという間に弱っていったわ。


 十七歳になったわたしは、ゼロスと再会していた。


 会った瞬間彼だとわかって心が弾んだわ。もしかしたら、ゼロスも同じ気持ちなのじゃないかしら、なんて。


 だからつい、森の整備やお城に住み込んで欲しいなんて厚かましくお願いしちゃって、そのせいかタケルは死んでしまったの。


 どうしよう。


 ゼロスはわたしを怒っているかもしれない。


 恐怖心が虚栄心を刺激した。


 だから、そっけなく城から出た方がいいなんて言ってしまったの。


 本当は城に残って欲しい。一緒にタケルを殺したかもしれない犯人を探して欲しいって素直に言えたらよかったのに。


 そして、ゼロスは城から出て行ってしまった。


 せっかく会えたと思ったのに。


 こんなのってあんまりだわ。


     つづく

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