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びっくり屋本舗  作者: 百済 夜斗
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第十三話  はぁ~爺 海へ行く

 日差しの強いある夏の日、はぁ~爺は海へ向かっていた。久しぶりの休みだし今日は存分に遊ぶぞーと意気揚々である。


 海に着いたはぁ~爺は、海岸でさっそく着替え、準備体操を始めている。小柄で貧弱な体系ではあるが、泳ぐ気満々の様子であった。

 その時、近くでスイカ割大会をやっていた少年たちからひそひそ声が聞こえてくる。

「へんてこりんなジジイがいるぞー」、「ほんとだー、ふんどしだぁ」

 その声に気付いたはぁ~爺は、少年たちのところへ歩み寄り、「男は赤ふんじゃー」と言うと、ガッツポーズをとった。もちろん少年たちは目を点にして、けったいなジジイを見つめていた。

 すると調子に乗ったはぁ~爺は、「おいっちにさんし・・・」と叫びながら屈伸、前屈と体操を続けていった。そして、「よっしゃ、これで準備万端じゃ」と言いながら海へ向かって行った。

 はぁ~爺は意外にも泳ぎが達者なようで、海面を平泳ぎでスイスイ泳いで行く。久しぶりの海は気持ちがいいなぁと思いつつ進んでいくと、ついにテトラポットまで来てしまった。そこへ上り、海を見つめていると、サーフボードに乗ったライフセーバーがやってきて、なんだか叫んでいるではないか。

「じーさん、そこは遊泳禁止だ」、「戻りなさい」

「はぁ~~~」、「なんじゃってー」

「危険ですよ、波がきます」とライフセーバーは叫び続けた。

「はぁ~~~」と、必死なライフセーバーを相手にしないはぁ~爺なのであった。

「さて、戻るかのー」とテトラポットから海に飛び込み、岸に向かい泳いで行くのであった。


 海岸に戻るや、「スイカうまそうじゃなー」と言いながら、さっきの少年たちの所へ向かっていく。

「あっ、またふんどしジジイがきたー」と少年たちは興味深々である。

「わしにもやらせてくんろ」と言い、勝手に棒を持ち構えているではないか。それには少年たちもしゃーないかと思い見守っていた。

「えい、やー、とー」と棒を振り回すはぁ~爺、目隠しながらメチャクチャな動きになっている。危険を感じ、少年たちは逃げ惑う。するとたまたまはぁ~爺の足がスイカに触れ、「ここじゃー」と棒を振り下ろした。すると見事にスイカは真っ二つに割れた。そのスイカをムシャムシャと勝手にほうばるはぁ~爺であった。


「腹ごしらえもできたし、さて、もうひと泳ぎしてくるかぁ」とまた海へ向かっていった。

 今度は何を思ったかすごもりで海中へ潜っていった。

「お魚さん、こんにちはー」と語り掛けるように泳いでいる。しばらく気持ちよく海の中を散策するはぁ~爺であった。

 かなり海の底の方まで潜って行ってしまい、息苦しくなったはぁ~爺は慌てて水面へ引き返した。そして、「はぁ~、はぁ~」呼吸を整えていると、頭の上になにかいるではないか。

「はぁ~、なんじゃこのヌルヌルした物は?」

 なんと頭の上にタコが乗っていたのである。吸盤がはぁ~爺の頭にひっついている。

「獲物ゲットー」と一言叫ぶと、タコを頭に乗せたまま海岸へ向かって泳ぎ出した。

 海岸に上がってもタコは頭の上にひっついている。それを見た少年たちは「タコジジイだぁー」と騒ぎたてた。

 はぁ~爺は、頭からタコをひっぱり剝がすと、ビニール袋へ入れ持ち帰っていった。


 その日の夕飯は、タコ刺を食べたはぁ~爺であった。


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