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びっくり屋本舗  作者: 百済 夜斗
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第十話   女子高生

 その日は真夏のとても暑い日であった。びっくり屋にはめったに来ることがない女子高生トリオが暖簾をくぐって入ってきた。これにはさすがのはぁ~爺もたまげてしまい、いつもより声を上ずらせながら

「はぁ~、いらっしゃいませませー」と応じた。

 やってきたこなき爺のような風貌のはぁ~爺にビックリしたのは言うまでもない。女子高生たちはこんな定食屋へ入ったのは初めての様子で、店の中をキョロキョロ見回している。小汚い店内に嫌悪感を示すかと思いきや、レトロな感じにご満悦な様子でもあった。最初に一声を上げたのはギャル風のエミであった。メニューを見ながら「なんだか懐かしい味のしそうな料理がいっぱいね」、それを受けマサミが「うんうん、コロッケ定食とか煮魚定食とか、昭和の味がしそう」と続けた。一方、清楚系のアスカは「お婆ちゃんの家に行ったときに新鮮な刺身をいっぱい食べたのを思い出したぁ」と懐かしげな顔をした。

「おじょーちゃん達、なんにするかね?」と三人分のお冷を運んできたはぁ~爺が語り掛けた。女子高生たちは、またはぁ~爺の異様な容姿にやや驚きながら、「まだー迷ってるー」と答えた。はぁ~爺は「悪いねぇ、若い女性に人気のメニューは揃ってないけど、まぁ美味しいことは間違いないよ」と告げ、奥へ引っ込んでいった。

「魚系もいいけど、やっぱ肉系も気になるなぁ」とエミが言うと、マサミが「うんうん、生姜焼き定食、トンカツ定食とかそそるよー」と反応した。一方アスカは「やっぱお刺身定食だなぁ」とつぶやく。迷うに迷ったエミとマサミであったが、どうにか決まったらしく、「おーい、おじいちゃーん、決まったよー」と一斉に声を発した。

 はぁ~爺がニタニタしながらやってきた。こんな若い女性たちが店に来ることはないので、嬉しくって嬉しくってたまらなのである。ノリノリのはぁ~爺は「おっまちー」と言いながら注文を取るスタイルになった。まずエミが「ハムエッグ定食」、続いてマサミが「生姜焼き定食」、そしてアスカが「お刺身定食」と告げた。

 はぁ~爺は、「あいよー、三丁ありー」と威勢よく声を発し、厨房へ向かって行った。

「こんな店があったとはビックリよねぇ」とマサミが言うと、「そうそう私なんてファミレス派なんで、異次元体験よ」とエミが言った。アスカは相変わらずお婆ちゃんの家を思い出しているのか幸せそうな顔をしている。


 三人ともスマホを片手に待っていたところへ、はぁ~爺が定食を持ってやってきた。

「はいお刺身定食が最初です」

「わぁ~新鮮そうなマグロだぁ」アスカはご満悦です。

「続いてハムエッグ定食、おまちー」となんとも肉厚なハムにエミも満足げな表情になる。

「最後に生姜焼き定食だよ」と三人分の定食がテーブルに揃った。

 三人は「いただきまぁーす」と割り箸を割って、定食にほうばりつくのであった。


 食事中の女子高生の傍らで、はぁ~爺はよからぬことを考えていた。

『うちの店にこんなに若い女性が来ることは最初で最後だろー』

『たしか若い娘のパンツを見ると寿命が延びると聞いたことがある。ラッキーなことに今日のお客はみんなミニスカじゃないか、このチャンスを逃す手はあるまい、婆さんのパンツはもう見飽きたしのぉ』

 もうはぁ~爺の頭の中はパンツ一色になってしまい、早速実行に移した。棚にあった新聞を床に落とすと、ゆっくりしゃがみ込み、目線を三人のテーブルの下へ向けるのであった。

『わひょ、いい脚しとるのー、もうちょい、もうちょい開け~』と心の中で叫んだ。

 この異様なはぁ~爺の行動に気付いたエミが足を組む。

『あちゃー、こりゃあかん』はぁ~爺は残念がる。しかしながらこんなことぐらいで諦めるはぁ~爺ではなかった。一旦立ち上がると、今度はテーブルの反対側に回り込み、割り箸の筒を床へ落としたのである。そのまましゃがみ込み、ゆっくり拾い始めるふりをして、またしても目線はテーブルの下へ向けていた。

 無防備なアスカは何も気づかず食事していた。『おーーー、白かな?ピンクかな?、微妙に見えてきたような・・・』もうはぁ~爺は必至である。

 こんな異様なはぁ~爺の姿に気が付かないハズはなく、マサミが「あーー、じじいが~」と二人に告げた。驚いたのはアスカである。なんとはぁ~爺が自分のスカートの中を覗き込んでいるはないか。「キャーー」と言って慌てて足を閉じた。

 これにはさすがにはぁ~爺も我に返ったらしく、「割り箸を拾っていただけじゃよ」と弁明する。

 女子高生トリオは、こんなエロ爺にうんざりしたようで、慌てて定食を平らげた。

 そして、帰り際に三人そろって「このエロじじーーー」と叫びながら店を飛び出して行った。

 店内からは、満足げなはぁ~爺が、三人を見送っていました。


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