帰らずのダンジョン⑥
「決着をつけよう。」
りんこの発した言葉に後ずさるルミナ達。
元勇者と魔王の決着って。・・・・めちゃくちゃ被害被りそうなんだけど。
りんこさんの強さは異常だ。魔王スキルの肩書は伊達ではない。
そんなりんこさんが今まで決着をつけれてない。
不自然につばを飲み込んでしまう。
「少し距離をとったほうがいいか。」
リオの言葉に頷くルミナ達。
「ではいくぞ!」
距離を開けきる前に勝負が始まってしまう。やばい。
再生スキルがあれば最悪なんとかなる。
覚悟を決めたルミナはねぐ達の前に出て壁になる。
そして勝負が始まった。
「おっぱいはおっきいほうがいい!」
「おっぱいはちっぱいほうがいい!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・は?
「大きな双丘は触りごたえもあり、また柔らかさも感じれそして何より母性の香りに満ちている。薄い服からはちきれんばかりの様は、正に聖なる頂だ。」
りんこが目を閉じながら高らかに発言する。
「服の隙間から見えてしまうロマンス。そして小さいことをなぜか気にして顔赤くする可愛さ。未成熟さをアピールしてしまう肉体の象徴。その癖女性を主張する柔らかさ。まさに神秘的だ!」
ペンガロンが熱弁する。
「何を言っても物理的な触感に勝るものはない!たぷんたぷんだぞ?ぼよんぼよんだぞ!走るとき揺れるんだぞ!」
「揺れている胸を見ながら、自分が揺れないことを悔しがる可愛さ。こっそり胸をもんだりして大きくしようという健気さ。大きくなりたいという努力を見てしまった時の恥ずかしさ。すべてが萌え要素ではないかああ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「これは・・・何の勝負なのかしら。」
ねぐが呆れた顔でぼそりとつぶやく。
わからん。まったくわからん。
「こ・・・これは貴族たちの間でも問題となる胸の大きさ好みの論争。」
リオがまじめな顔で答える。
いやそうだろうけどさ。貴族の間でもあるんかよ。
決着はつかないだろうよ。そりゃ好みの問題なんだろうから。
りんことペンガロンの白熱した勝負はとどまることを知らない。
むしろよくあれだけ意見が言い合えると感心するほどだ。
終わりが見えない。
「・・任せてくれ。俺は一応王族だ。決着のつけ方も学んでいる。」
リオが力強く答える。いや力強く答える内容ではないけどさ。
リオは歩みを進める。勝負の地へと。
リオはどちらに加担するんだ・・・・。勝負に介入できるのか。
ルミナはかたずをのんで見守る。ねぐは呆れかえっているが。
「ちょっとまったあああ。俺にも意見を言わせてもらうぞ。」
リオが大きな声で参戦する。リオがんばれ!
「おっぱいの大きさに貴賎なしぃいいいいいいい。」
リオの叫びにりんことペンガロンの言葉がぴたりと止まる。
を、効いてる?
「おっぱいとはおっぱいであるだけで素晴らしいのです。そこに大小で優劣を決めるなど、正に不躾、不粋、かっこ悪いものです。大きさなどおっぱいの偉大さに比べれば、ほんの些細な事。諍い会う必要などないのです。」
・・・・・・・王族。大丈夫か?
「・・・・・・それだけか?」
りんこの問いに、
「それがすべてです。」
リオは自信をもって答える。
りんこはペンガロンと目(?)を合わせ、そして何かに頷くように口を開く。
「坊主の結論はわかりきってるんだよ。だがそこで議論をやめていいのか?そんな決着で納めていいのか?まだ議論尽くしきれてない部分から新しい発見があるかもしれないだろうが。」
・・・・・はい?
「少年。考えることをやめた時、すべての可能性はそこでなくなる。安易に決着を求めるのは老い先短いもののする行動だ。君はまだ若い。歩みを止めるな。思考を止めるな。考え抜け。」
・・・・・言ってることは素晴らしいんだけど、内容がなあぁ・・
「というわけで坊主。お前はどっちがいいんだ?大きいほうだろ。やっぱおっぱい枕にあこがれるよな。」
「少年が大きい胸にあこがれるのは仕方ない。だが、成長を感じ取れる膨らみもまた至福だぞ。ぽろりよりちらりだろ。やっぱ。」
「えっと・・」
あ、リオが取り込まれた。あの勝負の渦へ。もう逃げれんな。
こうして、二人の勝負はまたもや持ち越しとなる。決着つくはずねーけどな。これは。
「勝負が聞いてあきれるわ。」
正にその通りだよ。大の大人が何やってんだよ。
「いいだろ?平和で。平和だからこそこんな争いができるんだよ。」
りんこの答えは後付けのような気がしないでもないが、言われるとその通りなのかもしれない。
「時間はあったんだ。考え抜いたんだ。今度こそ勝てると思ったんだけどなあ。」
「はい、もうそこ。この話題はやめ。決着はまた後日やってよ。」
ルミナの言葉に渋々頷く二人。話が進まんわ。
「で、僕を探しに来たということは、僕に頼み事でもあるの?」
ペンガロンの質問に「実は・・・・」と、今までの経緯を説明する。
話を一通り聞き終えたペンガロンは、少し考えた後に次のように切りだした。
「話は大体わかったけど、目的が分からないね。僕が必要?」
目的はルミナの召喚目的と、ねぐの思考誘導の目的の二つだ。
その目的に勇者の武器が必要な理由がないと言っているのだ。
「いや、イーサンと構えることになると思うぜ。あいつが勇者という餌を見逃すはずがない。そしてお前無しでは、嬢ちゃんたちに勝ち目はないだろうよ。」
イーサンという勇者はそれほど強いのか。
「確かに・・・僕と違ってイーサンは勇者の力を出し惜しみしない。彼に勝てる存在はないだろうね。」
「俺だって、あいつと殺りあうのは御免だ。魔王スキル全開とかやりたくねぇえよ。」
りんこさんほどのものでもか。めっちゃ怖いな。
魔界とやらにいてくれて助かる。・・・・あれ魔界から出てこれないなら戦うこともないんじゃないだろうか。
「イーサンという人は結界を超えてこれないですよね。」
ルミナの質問に、りんこは頷く。だが、
「お前の召喚者が魔界のものだった場合どうする?」
あ・・・・・いわれると確かに。魔界に行かないといけない場合もあるのか。
「たとえそうでも結界を超えれないのは同じじゃなくて?」
ねぐは疑問を口にする。ただ、ねぐはもう確証があるようだ。
「ペンガロンっていったわね。・・・あなたの力は結界に作用するものなんでしょ?」
なるほど。そのために
「イーサンは勇者の武器として探させた。辻褄が合ってきたような気がする。」
りんこさんは静かにうなずいた。
「僕の力は結界に対して効果的に力を発揮する。僕がいれば魔界には行けるよ。・・・・君たちはどうしたいんだい?」
ペンガロンはルミナ達に問う。
意思をもって。
ルミナ達の答えは考えるまでもない。
「俺たちは・・・・・・・」
帰らずのダンジョンの奥で、ルミナの言葉は大きく鳴り響いた。
最初のころに勢いで始めた物語ですが、
結構な量書いてきて少し広げてみたくなりました。
ご意見感想や評価など付けて頂けると
励みになります。
現実の都合上、遅筆ではありますが
最後まで書けるように頑張りますので
よろしくお願いいたします。
・・この文章を「〇っぱい回」に書くのが
僕らしいといえば僕らしいですね(笑)




