表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ルミナの冒険  作者: サーディ
ルミナ 北の大地へ向かう
48/58

帰らずのダンジョン⑤

飛び降りた先でりんこが出迎えてくれた。


相変わらずの白い空間。これはダンジョン共通なのだろうか。


「動くなよ。決め事は一つだ。次の転移の後は俺が戦闘で隊列を組む。先頭は常に俺だ。俺より先に出るな。」


それがルールだ。とりんこは説明する。どういうこと?


よくわからないけど、兎に角返事をする。ここでりんこに逆らうメリットはない。


そういうとりんこは手を探るように動かす。


暫くすると音声が流れる。


「ピーンポーンパーンポーン。穴に落ちた間抜けな君たちに、私からの救済チャンスだよ。ゴールまで襲ってくる魔物を振り払ってたどり着けばクリアだよ。楽勝だね。え?戦えない人もいるって。しょうがないなあ。じゃあ魔物が襲うのは先頭の強者だけにしてあげるね。先頭(せんとう)のみが戦闘(せんとう)するんだよ。私ってばなんて優しいんだろ。優しいからクリアしても出れるだけだよ。わかったら2度と穴に落ちるような間抜けなことはしないようにね。それじゃあスタート。ピーンポーンパーンポーン」


軽い女性の声だった。


なるほど、先頭(せんとう)のみが戦闘(せんとう)する。


・・・・・・・・ギャグか?


そう思ったころには転移が始まっていた。





転移された場所は細い通路だった。


少し先では両脇が崖になっており、底が確認できない。落ちるとどうなるんだろうか。


「これは・・・・頭に響くわね。」


「ああ、すのこダンジョンと一緒だ。キーンっていう機械音が頭にずしりと刺さる。」


ねぐとリオは頭を押さえている。機械音・・か。


言語が理解できないと不快な音になってしまうのだろう。


ふと顔を見上げると、臨模はルミナの顔を凝視していた。


「ルールは理解したのか?」


先頭(せんとう)のみが戦闘(せんとう)する。ですね。」


りんこの問いにルミナが答えた。


なんだそりゃとねぐとリオは不可解な表情をしている。


そんなこと言われても、自分で考えたセリフではないし。また聞きにギャグセンスとか問わないでほしい。


「りんこさんは聞き取れるんですか?」


「何を言ってるかは俺もわからん。わからんがルールは聞いている。・・・しかし先頭(せんとう)のみが戦闘(せんとう)する。か・・・さすがに言わんよな・・・普通。」


すのこダンジョンもうそうだったが、帰らずのダンジョンのアナウンスもとても軽いものだった。


女神の間ではそれが普通なのだろうか。


「ルールはルミナが言ったとおりだ。ここから先、魔物が襲うのは先頭にいる人間だけだ。だから俺が露払いする。絶対手を出すなよ。」


手を出すなら俺が倒れてからにしろと、りんこは念を押すように説明した。






りんこの戦闘力は圧巻であった。


襲ってくる魔物は千差万別で空中からだったり、崖から突撃してきり、はたまた突然出現する魔物もいた。


それらの魔物もりんこは特に慌てることなく、一撃で崖に落としていっている。しかも素手だ。


単純に戦闘力もそうだが、感知というのも優れているのだろうか。発見が遅れることなく軽く対処しているように見える。


ちなみに魔物の強さが弱いということは恐らくない。


速度だけでも目で追えないやつもたくさんいた。


この人は今まで見てきた人の中で一番強い。圧倒的な存在感だ。


・・・・・・敵に回さないようにしよ。


そう誓うルミナであった。




しばらく進むと通路の終わりに差し掛かる。


扉が見えてきた。


「お、出口が見えたぞ」


と言って、りんこさんを追い抜いて扉に駆け寄るようなテンプレ行動はやらない。


やる人がいるはずない。


「・・・・ルミナ・・・なんで俺の体を押さえているんだ?」


リオ以外はやらない。だけどリオならやるだろう。


「リオを信頼してるからな。」


ルミナは見ていた。駆けだしそうになる足を。強く振り出しそうな腕を。


「そっか。」


リオは笑みを浮かべる。仕方ない奴だなあといった表情だ。


方針変更したようだ。やれやれ。まったく油断ならねぇ。


「ついたぞ。」


そう言ってりんこは扉を開く。開いた先は広間になっていた・


りんこが扉をくぐる様子を見て後に続く。


一応クリアかな?


「あの魔方陣には入るなよ。あれは出口だ。入ってしまうとここまで来た意味がないからな。」


そういって右隅のほうにある一角を指さす。


確かに魔方陣らしきものが床に書いてあるように見える。ここからだと少し遠いためはっきりとは視認できなかったが。


「で、元勇者さんとやらはどこにいるの?」


待ちきれないようにねぐがりんこに問う。


ねぐにしてみれば、上書きされた目的とは言え長年探してた物だ。


自然と急かす形になってしまう。


そのねぐの言葉にりんこは眉を顰める。


「なるほどそういう手で来たか。だが寝てしまっていては意味がねぇぞ。起きろ「ペンガロン」」


りんこの視線はねぐの足元にあった。


ねぐはりんこの視線の先をたどるように自分の足元を見る。


足元の部分だけ床の色が違う。鏡面?光っている。


突如その床部分が変化する。


「白か」


床から声がした。


「きゃああああああああああああああああああ」


ねぐがかわいい悲鳴を上げて後ずさる。


お化け屋敷とかで見るような風景だ。


光っていた床は形を変え、一つのブロックへと変化した。


「踏まれることより覗くことを優先するか。プライドも何もないうえに俺以外が来る可能性なんざねぇだろうに。」


「暇だったんだからしょうがないだろー。久しぶりだな、りんこさんよ。」


ブロックからの返事に、「おう」と応対するりんこであった。




・・・これが元勇者。石材のブロックにしか見えねぇ。


「あーこの姿はな。一番楽だからだよ。形状変化にもエネルギーは使う。だったよな。」


その通りとブロックは答える。


「初めてのやつが多いんで、自己紹介と行くか。僕の名はペンガロン。よろしくな。」


短!。名前以外何もわからないままの自己紹介だった。


「で、入口そばへの床の擬態はなんなんだ?」


りんこの質問ンにペンガロンは、


「あそこが一番発見されないと、ふんだんだが。・・・まさか踏まれるとはな。扉が閉まらなければ扉の裏にしようと思ったんだが。」


白パンが拝めるとはラッキーだったわ。とと答えた。


「・・ったくどいつもこいつも・・・・まともな奴はいないのかしらねぇ・。」


少し切れかけた状態でねぐが愚痴をこぼす。


ねぐの言葉にペンガロンは自嘲的に答える。


「女神に関わるやつでまともな奴なんざいない。・・・まともじゃ生きて生き残れないんだ。女神に関わるな。引き返せるなら迷いなく引き返せ。」


突然のシリアス口調。先ほどのおちゃらけた雰囲気はない。


あまりの変貌ぶりに空気が固まってしまう。


「さて・・・りんこさんよ。ここに来たということは・・・・そういうことでいいんだな。」


「ああ、わかってる。俺もそのつもりで来た。」


すさまじいプレッシャーがあたりを覆う。


何、聞いてないんだけど。もしかしてあまり仲良くない?


濃厚な殺気?ともいえる重圧感で動けなくなる。


この二人の間に何があるんだ。・・あったというんだ。


「決着をつけよう。」


りんこはそういうと構えをとるのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ