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ルミナの冒険  作者: サーディ
ルミナ 北の大地へ向かう
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帰らずのダンジョン③

りんこによる性の暴走が収まり、やっと場が落ち着く。


「なるほど、勇者スキルを使用すると、身体がそれに対応するべく成長する。・・・無くは無いな。」


先ほどまで、静止の聞かない暴走性獣だったりんこだが、今はそんなことがあったような気配は微塵にも見せない。


勇者スキルを二人がなぜ持ってるか、という話まで踏み込んで説明することとなった。





「付与時にトラブルがあり、スキルを分割せざるを得なかったいう線が濃いな。」


りんこは説明を聞いたうえでそう結論付けた。


「そして勇者は、・・お嬢ちゃん一人だ。坊主は勇者の御業は使用できるが、勇者スキルを与えられる存在ではない。なぜならこの世界の住人に勇者スキルをつける意味がねぇからだ。」


勇者スキルの目的は外界からの魂の奪取。


この世界から奪取する意味がないという。


「よって、坊主がスキルを使用しても、代償は嬢ちゃんに行く。その法則は変わらねぇはずだぜぇ。」


リオについたスキルは、いわば発動するだけのスイッチ。源の力は全てルミナが背負っているという推測だ。


その話めっちゃ怖いんすけど。リオが使用しても代償が俺に来るなんて。


不用意に使わないように、くぎを刺しておかなきゃなるまい。


それはそうと、


「りんこさんはどうしてそんなに詳しいのですか?」


ルミナは疑問を率直に口にする。


勇者関係はねぐさん以上に詳しい人はいないと思っていた。


だが魂を確認する魔法、女神の知識。普通に知っているレベルではない。


「俺も聞いたのさ。口伝って言ったろ。勇者本人からな。・・・いや元勇者というべきだろうな。」


勇者と接点があった。先ほどまでの言動からも想像できたが、そういうことだったのか。


「元勇者っていうのはどういうことなんですか?」


リオが続けざまに質問する。確かにそのキーワードが気になる。「元」ってどういうことだ。スキルがなくなったのか。


「・・・・元勇者は、魂を取り戻すため、スキルと体を代償にした。・・・・詳しい話は実はその勇者も記憶が曖昧だったため詳細は解らん。」


そしてそれがお前たちが求めるものだとりんこは言う。


・・・まさか・・・・


「元勇者の名前は「ペンガロン」お前たちが探している、勇者の武器と呼ばれるものだ。」



「ぺ・・・ペンガロン・・」


な・・・名前なのか?


いや、そこじゃなかった。勇者の武器が、元勇者だと?


「元来、魔王や勇者に武器はない。この世界の鉱物の硬度では耐えれる武器が作れない・・存在しねぇからだ。その理を破ったのが、知恵ある(インテェリジェンス)武器(ウェポン)となった元勇者「ペンガロン」だということだ。」


結果的にだがな。とりんこは付け加える。


元勇者だった知恵ある(インテェリジェンス)武器(ウェポン)であり、恐らく人格がある、だからあいつと呼んでいた。


「よって、ここにある勇者の武器は勇者が使える唯一の武器となっただけの偶然の産物であり、誰かに使われたということもない。だから勇者の子孫に口伝として伝わるはずがねぇんだ。・・・言ってる意味わかるか?」


りんこはねぐの方を見る。


「でも、私の家では確かに伝えられてきたのよ。この映像だって。」


そういうと以前見せてくれた勇者の武器の映像を魔法で見せてくれる。直刀の片手剣だ。装飾も荘厳美麗で派手な剣だ。


だがりんこは首を振って、


「お前の家に伝わる口伝の武器は、このダンジョンには存在しない。だがなぜこのダンジョンにあると思ったのだ?」


「・・・・調査したのよ。いろんな手段を使ってね。勇者の存在、勇者の武器。両方とも人手を使って調べた結果よ。」


「人手なら情報は潜り込ませられるな。武器の件はこれで分かった。では次の質問だ。なぜお前は、それを調べたのだ。調べた理由は?」


「・・・・・理由?・・・・勇者の子孫だからよ。」


「子孫だからと言って勇者関係を追い求める理由にはならねぇ。簡単に答えるなよ。もう一度考えろ。思考をごまかすな。」


「・・・・理由・・・・理由・・・・・」


ねぐは頭を抱えながら思考を巡らす。そして長い思考の中一つの結論を導き出す。


「・・・・・・ないわ。」


ため息をつきながら、その一言を絞り出す。


「理由が思い浮かばないわ。ほんと、どうしてなのかしら。」


「自分で思考出来たか。ならまだ軽症だな。」


ねぐが出した答えに、りんこ少し表情を和らげる。


「どういうことなのかしら。」


ねぐの表情はまだ少し影が入ってはいるが、動揺や怯えの色は見えず落ち着いていた。


その表情を確認したりんこは、問題ないだろうといって説明を始めた。


「まず、勇者専用の武器と呼ばれるものは俺の知っている限り存在しない。女神が作ったという話も聞かない。そもそも圧倒的な戦闘力を誇る勇者に専用の武具を作る必要がないからな。そしてこのダンジョンだが・・・・少し特殊な状況で出来ている。この後詳しい説明をするが、俺はこのダンジョンを知り尽くしている。よって勇者の武器が隠されているということはあり得ない。」


ここまではいいか?とりんこは確認する。


「一つ・・・この国の王、KINGは勇者の武器を取りに行く許可を出さなかったわ。あれはどうしてかしら。」


ねぐの問いにりんこは少し苦笑しながら、


「あれがKINGの外交術らしいぞ。目的がダンジョンを守る。それ以外の情報については否定も肯定もその場の流れに合わせて話す。よって勇者の武器の話を出されてもそれに合わせただけだと思うぞ。」


勇者の武器が魔王の武器という説明でも同じ対応だったと思うぜ、と教えてくれた。


なんだそりゃ。そんな外交術聞いた事ねぇえ。


「あいつは不器用なりに、国を守ろうとしている。正確な情報を得られねぇ国王から、無理強いをする奴を見極めている。とか言ってたが、ともかく配下がいないような国だ。通常のやり方をする必要もないしやりたいようにやっても文句言う奴いねぇからな。」


ふーん。納得するには情報が足りないけど、特殊な国王なんだということは分かる。


「話を戻そう。このダンジョンは、時間の流れが遅くなっててな。外界に対して20分の1の速度だ。10日入っても12時間しかたたねぇ。だから遭難やトラブルが起きても対処が間に合わねぇ。それがこのダンジョン「帰らずのダンジョン」の命名理由だ。そしてダンジョンには食料となる草木や動物しかいないとされている。それ以外の情報について出回っているのは間違いなくガセ情報だと思ってくれていい。」


「つまり、勇者の武器がこのダンジョンにあるという噂自体が流れないということ?」


それは極論だろう。帰ってこないやつがいるならば秘密があるかもしれないと勘繰るやつはいる。噂が噂を呼ぶことは十分考えられる。現に元勇者とやらがいるではないか。


顔に出てしまっていたのか、りんこはその件についても説明する。


「元勇者がこのダンジョンにいるというのは、ほぼ秘匿されている。なぜなら奴がいる場所は、裏ダンジョンの奥だからだ。・・・裏ダンジョンに入って帰ってこれるのは勇者だけだといわれている。理由は」


「その裏ダンジョンとやらのルールがわかるのが言語を理解できる勇者だけだから・・ですか。」


ルミナは実体験を元に口をはさむ。


りんこは、「その通りだ。」と頷く。


「つまりこのダンジョンに元勇者がいると知っている奴は、勇者関係者のみだ。そいつらが、勇者の子孫として、お前に情報を与え、勇者と元勇者を会わせるように画策するために暗示をかけた。思考を縛っているのかもしれないがな。」


ねぐさんは操られていたということ・・・・・。衝撃の事実だ。


「何のために?」


ねぐさんは質問する。自分の人生の中で大きな目標としてやってきたことが、操られていただけだった。


この事実はねぐの心を大きく揺さぶる。


「・・・・さてね。()()()()退屈しているだけなのかもしれない。自分と互角に戦える奴を探している、いや作り出そうとしているのかもしれねぇ。強いて言えば戦闘狂(バトルジャンキー)ってやつだな。」


ほぼ断言している。りんこはねぐに暗示をかけた人間に目星がついている。


「そいつの名は「イーサン」。もう一人の勇者であり、オリジナルを失った彷徨える亡者さ。」



解説回です。

話が進みませぬ。

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