親友は突然に③
次の日の朝、いつもギリギリで朝礼に来ていたのだが、早く目が覚めてしまったせいで、登校時間も早くなってしまっていた。
朝礼まで少し時間があるので、席に着いたまま微睡もうかと思っていたが、不意に隣の席に人が座りそちらを見てしまう。
「よう。」
教室で声をかけられたのはこれで3回目か。
「ああ、リオ・・さんか。よく見つけれたな。」
隣に座ったのは、昨日公園で盛り上がったリオさんだった。
「リオでいいぞ。それにしても昨日は面白かったな。壁に向かって土下座しているとか、お前、おもろすぎるだろ」
「そこだけみられても・・・気が動転してたし仕方ないだろ。」
ファンネルのビームが公園の壁を破壊し、パニックになっていたのだ。
土下座スキルが発動しても仕方ないだろ!・・いや技は持っててもそんなスキル持ってない。
「で、用があるの?声かけたってことは。」
「用があるというよりは、昨日のあれでお前に興味持ったからってのが大きいからだな。」
ああ、相棒達のことか。そういえばずいぶん興味津々だったしな。
「あれに乗れるとかめちゃめちゃうらやましいから、俺もぜひぜひ便乗させてもらいたい。」
「・・・まーいいけど。」
実は結構うれしかった。なんかこういうことで話せる人がいるとは思わなかったし。
「で、お前はこれから図書館行くのか?」
「お前じゃなくてルミナでいいよ。図書館なー。大体調べもの終わっちゃったしなー。」
調べつくしてはいないが大まかな常識を身に着けただけだ。図書館だけでは足りないことは昨日の魔力や魔石の件で身に染みていた。実地で覚えなければいけないことが多々ある。
それに就職のことも考えなければならない。
「なんか就職に役に立つ授業ってあったかなあ。」
「貴族の為の学園で就職に役に立つ授業とか・・・あるわけないだろ。ルミナは本当にものを知らないな。」
リオに笑われてしまった。貴族の為の学園か、そりゃ就職関係ないわ。笑われても仕方ない。
基本的にこの学園で行われる授業は、経営学であったり、社交ダンスであったり、テーブルマナーであったり、貴族の為の授業が大半を占める。ゆえに図書館という選択肢しか選べなかったのだ。
「そもそも就職先を探すっていうと、貴族ですらないって事か。ルミナの素性がますます謎めいてきてるんだが。」
なぜこの学園に来たかということか。別に謎でも何でもないんだけど。
「当初の目的はまぁもう関係ないかな。今後生きていく方法を考えないといけないようになっただけだよ。」
生涯の職探し。ああ、異世界に来てまで就職活動とか悲しみすぎる。
「ふぅん。それじゃあ特に今やることないんだな。だったらこの後俺に付き合わないか?」
リオのお誘いを断る理由が無い。それくらい先行き見通せていない。
「いいよ。どこ行くの?」
ルミナの問いにリオはふふんと軽くにやけながら、
「俺の就職先さ。」
と、答えるのだった。
リオに案内されて向かっているのは学園の外。学園から出てもよかったのか。
ほんと自由だな、この学園。
「朝礼に出なきゃいけないのは最低限在籍証明するためで、あとは自主性にお任せという方針なのがいい。やらないやつはどんどん落ちこぼれていくから、時間の使い方、計画性が学べる学園だとは思うけどな。」
リオのドライな意見にわりと同意してしまう。決められた時間割で学ぶことも協調性という意味では大事だけど、個人の考える能力を伸ばすならこちらの方がいいだろう。
もっとも役に立たなくても、その血筋だけで威張るやつもいるんだろうけど。
しばらく歩くと、人通りが多くなる。
大通りにでたのか。
「というわけでここだ。」
リオが示した場所はと、大通りから少し外れたところにある建物。
門があり、中は広く建物との間に大きなスペースがある。
建物の扉は大きく、横に小さな扉が付いていた。
なんか既視感がある。
リオは門を通り小さな扉から入る。ルミナも続く。
中は市役所のような受付がある少し大きな部屋となっていた
「あー。冒険者のギルドか」
「正解。」
なんだ知ってたのか?とリオは問いかけてきた。
「知ってたというより来たことある・・・かな。」
エムさんに連れられてきたのは2月も前のことだ。我ながらよく覚えていた。
ここが目的地ということは、まさか・・・
まぁ知ってたなら話は早いとルミナの肩をつかんだ。
「というわけで、お前も冒険者になろうぜ。」
リオから冒険者という就職の斡旋を受けるのだった。
もう一つ書いてます。露出賢者と解呪の杖。タイトル回収はまだ先の予定ですが。(タイトル詐欺な予感)
https://ncode.syosetu.com/n0620ga/




