異世界2日目③
ほどなく昼食を終え、移動を再開する。
もちろんルミナの居場所はお釜の中であった。
となると思ったが、釜に入ることは避けられた。
決してエムさんが妥協したわけではない。
目的地の一つに近づいたからだ。
「ありがとうございます。ありがとうございます。」
何人もの村人が出迎えてくれたが、村長が代表して改めて、感謝の言葉を重ねていた。
「ギルドにご依頼があった方は・・・3名ということでしたが、いらっしゃいましたでしょうか?」
村の人に確認してもらったところ、確かに3名の身元が確認された。
連れ出されるときちらっと見てみたが、裸ではなく、簡素な服を着ており匂いなどもなかったが、目に生気がなかった。
「心のケアは時間がかかりますが、生きて帰ってきただけでもありがたいことですじゃ。あとは村のもんがやることだで。」
出迎えてくれた人の弁だ。本当にうれしそうだ。
「半分というか、ほぼあきらめておりました。依頼してよかったです。よかったらご飯でも食べていかれませんか。お礼がしたいです。」
村長そう言ってくれたがエムさんは、
「報酬はギルドの方で頂いておりますので、お気遣いなく。他にも回らないといけませんし、ここはご遠慮させていただきます。」
と、馬車の方を見て答えた。
「そうですね。うちの村同様帰りを待ちわびている人がいるでしょう。浅はかでした。お許しいただきたい。」
村長は頭を下げたが、
「ご厚意のお言葉に、謝罪はいただけません。お気になさらずにお願いします。」
と、エムも頭を下げるのだった。
程なく準備が終わり、村をあとにする。
「さぁ次の村へ行くよ。」
食事くらい頂いていけばいいのに。と思わなくもないが
あの馬車の中を見ると、確かに早く届けるに越したことはない。
感情が見えない人間はマネキンと同じだ。
すごく不気味に見える。
不気味に見えるというのは結局異質なんだなと思う。
こんな状態は早く直してあげたほうがいいな。
と、釜の中で思うルミナだった。
解せぬ。
途中、盗賊っぽいのも出てきており、さすが異世界と思ったものだが、
カラとエムさんによって軽く返り討ち・・・ではなく、馬車の中を見て、何も取らずに去っていった。
こういうのはラノベにもなかったな。と、その様子を見ながらルミナは釜の中で隠れていた。
後で聞いてみると、盗賊も苦労せず金品を奪えないわかると、結構かんたんに引き下がってくれる。
面子とか潰すとめんどくさいけどね。とは、エムの弁。
あの馬車を見せて、目的を言うと、少なくてもゴブリンから取り返せるだけの戦力があるということ。
たとえ奪ってもあの女性では売り物にもならない。そういったことをちゃんと話して襲う理がないことを説明したらしい。
エムさんやるなぁ。
俺がこうやって大人しく釜に入らされるのもわかるわ。
情けないけどな!
そう考えるとは、今日は他の村につかないってことかな。
流石にこの状態を村の人に見せたら、頭おかしい人に見えるもんな。
とルミナは推測する
すると昨日と同じで野宿か。
野宿自体は嫌ではないのだが。
その、なんというか、
お手洗いがないのが辛い。
特に男だったら気にしないのに、今の自分は・・・草むらまで行ってこっそりとというなんとも言えない羞恥心に苛まれて行っている。
これ、女性冒険者とかマジでどうしてるんだ。
こういった冒険はよくよく考えてみると男じゃないと結構不便なことが多い。
女になんてなるもんじゃない。
女性2日目の初心者なルミナだが、男に戻る方法も考えないと行けないと強く感じているのだった。
あと、旅に出るときはきっちり備品、消耗品を揃えよう。
いずれ、エムさんに頼りっきりの生活にも終りが来る。
しっかりしないとな。
などと、殊勝なことを考えていたが、
「ルミナちゃん。おやつあるけど食べる?」
「いっただきまーす。」
頼りっきりだった。
2日目はここで終わります。
このあとは、いくつかの村を経て、王都につく予定です。




