第6話 魔草を探索
「なんで、そんな草を探しているの?」
「魔法を使うためだよ」
元の世界に戻れないとなると、この世界で生きるしかない。
使えるのは、魔法知識しかない。
だから、魔法を生かすためのアイテムが必要だ
昨日、草原には火薬草がたくさんあることを知った。
手元には火薬草から作った火炎丸がまだ39個ある。
だから、簡単な火魔法は使える。
ただ、火魔法しか使えないのは不便極まりない。
元々の世界なら、蛇口を捻れば、4元素の魔素を使える状態にあった。
魔道具を使うには必須なインフラだ。
だけど、この世界には魔素を供給する仕組みはない。
だから、自分でなんとかしないといけない。
攻撃に使える火魔法の次は、回復に使える水魔法だ。
「まずは、癒し草が欲しいんだ。やっぱり水辺に自生しているのだろうか」
残念ながら、自らの中にあるライプラには植物図鑑はあるが、詳しい分布までは載っていない。
魔法のことなら大抵のことはわかるライプラだが、それ以外となると情報が偏っている。
「こういう形をした草なんだが」
地面に、クルリと葉を巻き込んだ草の絵を描く。
我ながら下手な絵だ・・・とてもじゃないが、どんな草なのか伝わるとは思えない。
「あ、これ知っている。沢の方にいっぱい生えているよ」
「本当か」
「案内したら、また魔法、教えてくれる?」
「ああ、これを見つけたら水属性の魔法を教えてあげるよ」
「やったぁ」
女の子狩人のミクと、男の子狩人のミオ。
今日もふたりと一緒に行動することにした。
「こっちだよ」
しばらく草原を歩いていると、小高い山が見えてくる。山には木がたくさん生えていて、林のようになったいる。
「あそこに池あるでしょ。あそこに流れ込んでいる沢があるの」
山の林が途切れるあたりに、直径にすると50mくらいの池がある。
そこの池に流れこんでいる沢ま存在は音でわかる。
水が流れている音。
そこに向かって歩く。
「あった!」
確かにたくさんの癒し草だ。
この癒し草は、昔はポーションの原料として採取されていたと聞く。
水属性の植物で、くるりと巻いた葉の中心にある太い茎。
そこに、水の魔素を大量に溜め込む特性がある。
水の魔素は、回復の魔素とも呼ばれ、魔素を体内に吸収すると傷や病気の治癒を促す効果がある。
水の魔素は、状態の変化があって、蒸気の魔素、水の魔素、氷の魔素の3状態がある。
昔から、世界には火、水、気、土の4大魔素があると言われてきた。
しかし、さらに微細に魔素を観察すると、たったふたつの魔素しかなくなるという。
天の魔素と地の魔素。
天の魔素が複数個つながることで、気の魔素が生まれる。
地の魔素が複数個つながることで、土の魔素が生まれる。
天と地の魔素がひとつづつ強く結びつくと、火の魔素になる。
天と地の魔素が緩やかに結び付くと、水の魔素になる。
水の魔素の3形態の、蒸気・水・氷は、天と地の魔素の数によるものだ。
ふたつの天魔素とひとつの地魔素が結びついて、蒸気の魔素になる。
ひとつづつの天と地の魔素が結びついて、水の魔素になる。
ひとつの天魔素とふたつの地魔素で、氷の魔素になる。
「そうか。水の属性の癒し草は、水が流れて状態変化が起きやすいところに自生するんだ」
水の魔素の特性、3つの状態を持つ、を考えれば、状態変化するとき水の魔素がつよくなる。
その近くに水属性の癒し草が自生するのは、考えればわかることだ。
ぶつぶつと言っている私にふたりは変な顔で見つめている。
「あ、ごめん。これが癒し草だ」
「じゃ、これ集めればいいの?」
「また、昨日の様に採取を頼む」
癒し草を採取する人がいないみたいで、取り放題なくらい自生している。
ポーションが手に入らないときなど、癒し草を見つけるとすごくうれしいと冒険家に聞いたことがある。
ポーションづくりは錬金魔法で一番最初に覚えるもの。
その素材が癒し草。
3人で集めた癒し草。
まずは、使い方を教えていこうか。
初日ランキング25位ありがとう。ブクマや評価してくれた皆様のおかげです。
予定通り、初日は6話アップしました。
明日は最低4話の予定です。
楽しく書いています。この世界の魔法はどうなっているのか。そこが一番書いていて楽しいポイントです。
楽しく読んでもらえるとうれしいです。
ブクマや評価、お待ちしています。




