第5話 驚きの事実
「なんと、今、私は神話の時代を生きているのか」
村の長老と話しをして、理解できたこと。
今は、元いた時代より2000年も過去にいる。
私が子供の頃、神々との闘いをした英雄の話がちょっと前の話として伝わっている。
正直、参った。
さらに、私の身体は15歳にもどってしまった。
身長は160センチと元々ちびだったから、それほど変わらないがとにかく身体が軽い。
そして、目がよく見える・・・もう眼鏡は必要ないな。
「すると、お主。未来から来たと申されるのか?」
「そうとしか考えられません」
「それも、まだ誰も知らない魔法を知っていると」
「はい」
出会った子供たちが魔法を知らなかったのは、子供だからじゃない。
村の大人も魔法を全く知らないのだ。
長老だけが魔法の存在は知っているが、自らは魔法を使えない。
この人口100人ほどの村で魔法が使える人がゼロ。
元の世界ではありえないことだ。
「この場所はフロンティアと呼ばれている土地での。魔物の領域に向かって人間の領域を伸ばす最前線なのじゃ」
だから、絶滅した魔物や魔植物が普通に存在しているのか。
さて、ここで問題が発生した。
未来に戻るには、どうしたらいいのか。
わが身に起きたことはだいたい想像がつく。
研究していた時空魔法が暴走したのだ。
過去戻りをさせようとしていたターゲットだけでなく、近くにいた私も時空魔法に巻き込まれてしまった。
時空魔法の実験は成功したのだ。
だから、時空魔法を使えば元の時代に戻れるはずだ・・・だけど、どうやって?
時空魔法はとにかく膨大なエネルギーと魔素を必要とする。
国家予算レベルの実験設備があって初めて実践できる。
いくら魔法知識があっても、今の環境では無理だ。
そこまで考えて、頭を抱えてしまった。
この魔法が未開な世界で生きていかないといけないのか。
不便きわまりない世界で。
だいたい魔法知識だけはあるが、魔法使いとしての経験は中級スクールレベルで止まってしまっている。
中級スクールで3年間。週2時間の魔法実習をやっただけだ。
後は、ずっと魔法理論を習得し、新たな魔法理論を構築するのに30年を費やした。
結婚もしなければ、恋愛すらもしない。
魔法研究ひと筋の半生だった。
その結果を目にする直前での過去戻り。
明日から、どう生きるべきなのか。
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