第13色 土の柱
僕以外の『白』…
ワイドの話を聞いた僕はその『白』がどんな能力なのかを考える。だが、全く想像がつかない。考えようとしても僕の能力に引っ張られる。
「その人の『色』はどんな能力なの?」
気になったので聞く。その言葉でそれ以来黙っていたワイドが口を開く。
「アイツの色…その能力は…」
「『消滅』だ。」
『消滅』。その内容を語る前にワイドは考えたいことがあると言って部屋から出て行ってしまった。
何か思うことでもあるのだろう。そのことについても考えたいが、今は次の試合について考えなければならない。次の対戦相手であるグラドと戦ったことのあるカイルに聞きに行きたかったが、依頼中なのか部屋にいなかった。今回の依頼を踏まえて考えたかったが、『黒』に染まった時に依頼のときのことも記憶がなくなってしまった。依頼を一緒に受けていたビクシスさんに話を聞きたかったが帰ってから会っていない。部屋にいこうにも場所がわからない。
一人で考えないとな…
「それでは、これよりグラド・ウォルと、ジューク・アイルによる試合を始める!両者、構え!」
寝てた。
まずいまずいまずい!!!対策とか自分の『色』の使い方とか色々考えたかったのに疲れで寝てた!!!
やらかしたあああああああああああああ!!!
「さてと、じゃあ、行くよ?」
「よろしくお願いしますッ!」
ここまで来たなら腹をくくれ。過ぎたことはしょうがない。もう、やるしか無い。
「試合、始め!」
「『土壁』」
「『白磑』」
試合が始まった瞬間、お互いに『色』を使う。僕は不意打ちに備えて『白磑』を纏う。それに対してグラドさんは『土』。お互いの間に縦横2メートルほどの壁が出来る。
それを見た僕は一度後退する。壁の出来方は地面から盛り上がるように出来ていた。下手に距離を詰めればカウンターを喰らう可能性がある。そう考えたのだが…
「ほう、下がったか。ならやらせてもらおう。『土槍』」
『土槍』と言ってはいるがどちらかと言うと弾に近い先端が尖った土の塊が8つ、『土壁』の左右に4つずつ現れる。そしてそのままこちらに向かって飛ぶ。
それらの軌道は一つ一つが大きく広がり、僕を取り囲むように飛んでくる。
「ッ『白斬・飛』」
まだ一番前の『土槍』は距離があるのを確認した僕は、双剣で左右の真ん中の2発に当たるように感覚で飛ばす。そして即座にもう一度『白斬・飛』を使い今度は一番近くの『土槍』を撃ち落とす。そしてさっき飛ばした『白斬・飛』が撃ち落とした『土槍』の方を確認する。右が1つ、左が2つ撃ち落とした。残りは右2つ、左1つ。だが『白斬・飛』を打つ時間はもう無い。
一瞬『白磑』をするか迷うが、『白斬・飛』で撃ち落とした『土槍』はそのまま消えるのでなく当たった場所でそのまま勢いがなくなり、そのまま地面に落下している。それを見るに僕の『白』は圧倒的な対『色』特化。『色』以外の物にはめっぽう弱い。そしておそらく『土』の発動には地面をそのまま利用している。そして『白磑』は衝撃だけは多少緩和するとはいえ体にくらう。つまり
『土槍』を『白磑』で防いでも体に刺さり、かなりダメージを受ける。
そう判断し、回避に専念する。
まず右からくる一発を剣で軌道を逸らす。そして前に踏み込む。そして即座に後ろを向き、残りの2発が地面に当たるのを確認する。どうやら〈追尾〉ではなく〈誘導〉らしい。先に決められた場所に飛んで行くものだ。
「撃ち落としながら避ける。うん、流石だね。ただ、注意が足りないよ?」
その瞬間、前を向き直した僕の目の前に土の柱が迫る。それに反応できず、顔面に直撃。後ろに弾き飛ばされる。
「『土柱』。さぁ、どんどん行くよ!」




