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57日目
気がつくと、僕はあの黒闇のなかにいた。
小さくて幼い僕は、もう泣いてなどいなかった。まっすぐ僕の瞳を見つめている。
「…………」
「…………」
しばらくの沈黙が流れる。でも、苦痛とは思わない。
今までの記憶やライムに関する出来事を繋ぎあわせると、ある仮説が浮かび上がった。
けど、あまり自信と保証がない。もしかしたら、僕の命に関わりかねないことだ。
テナーが言っていた『死に損ない』や、僕の体を乗っ取ったり、大がかりな呪術をした理由。
それは……。
ライムが本物の悪魔である可能性だ。




