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真面目になる

ちょっと暗めの街を人見と歩く。さりげなく手も繋いでる。うふふと笑いたいけれど・・・部活帰り・・・いや、時間的に映画帰りの公子と鉢合わせてしまった。同じクラスでテニス部の亜美ちゃんもいる・・・。


私『あ、はは、公子たち、お疲れ様。』


公子『え、友達に戻ったんじゃなかったの・・・?』


亜美『え、さっぱりわかんないんだけど。不良の人見くんと色葉が手を繋いでる・・・?』


がーっ!!どうしよう!!公子には嘘をついたみたいになってるし、亜美は事を知らないから変な目で見られてるーっ!!


そのとき、人見が私の肩を引き寄せた。


人見『いいだろ(笑)俺たち、気が合うみたいなんだよ。な?』


私『う、うん。』


多分、顔が赤くなっていた。公子はニヤリと細目で私を見ている。


亜美『へー、意外なカップル・・・。』


公子『行こう亜美。二人の邪魔しちゃ悪いし、ぷぷっ。』


今、絶対に笑われた!!くぅ・・・頬がぽかぽか、ほくほくだ。


私『はっきりして欲しいんだけど・・・。』


人見『(はっきりさせたいのはこっちの方だよ・・・)』


はっきりしない人見と手を繋ぎ、二人は寄り道せずに自宅前に着いた。


私『送ってくれて、ありがとう。今日は母さん仕事だから、お邪魔する?朝方、帰ってくるけど、私の部屋に潜んでたらバレないよ。』


人見『・・・停学は解けたから、また明日、学校でな。』


私『あ、ちょっと待っ・・・行っちゃった。』


明日、学校でな・・・真面目になるって言ってたのは本当なんだ・・・。


美知『お姉ちゃん・・・。』


私『うわっ!?びっくりした・・・なに?』


美知『母さんが倒れちゃった・・・。』


私『えっ!?』


私は急いで寝室へと向かった。嫌いな母のはずなのに。


私『母さん・・・?』


母『・・・ごほっ、ごほっ、ただの風邪だから大丈夫よ・・・ごほっ、ごほっ・・・。』


私『はあ・・・病院は行ったの?』


母『・・・。』


どうやら、病院には行っていないらしい。


母『遅かったわね・・・ごほっ、ごほっ。』


私『ちょっと用事があったの。』


母『気をつけなさいよ・・・女の子なんだから・・・。』


私『はいはい、その女の子だからって台詞、大嫌いなの。いくら体調が悪いからって・・・二度と使わないで。判断するのは私だし、危ないと思ったら頼りになる人に付き添ってもらうから。』


母『頼りになる人・・・もしかして、遊んでいたせいで、遅くなったんじゃないでしょうね・・・。』


私『さあ、どうだか。私の人生は私のものなの。スケバンになっていないんだから、大目に見てよ。』


母『・・・。』


後日、大事なレコードが無くなっていたのは言うまでもない。寝込んでいたくせに。


私『わんわんわ〜ん・・・。』


公子『ご愁傷さま。昨日のアレはどういうこと?』


私『ぐすん・・・暗くなってたから、家まで送って貰ってただけ・・・。』


公子『頬を桃色に染めて?』


私『アレも良くわかんないの・・・友達だって言ってたのに・・・。』


ガラガラガラ


人見『よっ(笑)』


公子『あ、おはよう。丁度いい時に来た。昨日のアレは・・・?』


人見『だから、気が合うんだよ(笑)』


そう言い、人見は男子の輪に入って行った。


私『嘘つき・・・気が合うなら、また明日のキスくらい・・・。』


キーンコーンカーンコーン


ガラガラガラ


戸田『人見は・・・いるか・・・。』


人見『よっ、久しぶり(笑)俺、ちょっとは真面目になろうかと思ってっから、もう少し授業速度、落としてくんない?』


増岡『な、なに言ってんだよ、人見!?』


戸田『頭でも打ったのか・・・?』


人見『打ってねえよ!!髪も固めんの、そろそろ辞めようと思ってるんだよ。なんだよ、お前ら。』


私も含めクラスのみんなが目を丸くして、人見を見ていた。


公子『先生、いいんじゃないですか。』


私『・・・。』


戸田『そうだな・・・。人見、抜け出したり、居眠りしたりするなよ。』


人見『OK、先公(・・)。』


私『教科書は・・・?』


人見『一年のときに無くした。』


戸田『仕方ない。お前ら停学中だったから、席替えのクジを引けなくて、余りの席に座ってるだろ。隣同士だから、白瀬に見せて貰え。』


人見『え、俺の席、白瀬の隣?』


公子『そこは高橋くんの席だよ。』


えーっ!!なんで、そんな大事なことを黙ってたんだ!!この、隠れ悪女め!!


ということで人見が隣の席に来た。


人見『教科書、見せてくんない?』


私『あ、うん・・・。』


授業が始まったけれど、頭に入ってこない。隣にはいかつい髪型で真面目に授業に聞き入ってる人見・・・好条件なのに・・・くぅ・・・。


麻里『ど〜れ〜み〜ふぁーそぉーらーし・・・ダメ?』


佐村『途中でズレるのは、どうにかならないのか・・・ファの辺りに注意して、もう一回。』


麻里『ど〜れ〜み〜ふぁ〜そ〜らーしぃ〜どぉー。』


佐村『・・・。』


麻里『ど〜れ〜み〜ふぁーそーら〜・・・。』


佐村『ちょっと、休憩しようか。』


麻里『やっと終わった。お菓子持ってくるね。』


ガチャ


佐村『マジかよ・・・あの歌唱力・・・音程・・・でも、麻里の顔ならバンドの看板になるしな・・・。』


キーンコーンカーンコーン


授業が終わった。人見は無事に居眠りすることなく勉強出来たみたいだ。本当に変わろうとしてるみたい。


人見『終わった〜、真面目に授業を受けたのは中1以来だぜ・・・眠てえ・・・。』


人見は机に顔を埋めた。


私『・・・あ、公子!!隣が人見だって知らなかったよ!?だからニヤニヤしてたの!?』


公子『ドッキリ大成功って感じでしょ(笑)人見くん、次の授業も頑張って。』


人見『あ〜い。』

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