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結婚アドバイザー

二日間、サムのご両親にお世話になった。せっかく帰ってきたのだからと、サングラスをはめたサムが散歩しようと言い出した。


佐村『今日って3学期が始まる日だったよな。』


私『学校の話?大体の学校はそうだよね。』


佐村『ちょっと寄ってみないか(笑)』


私『え!?今のサムが行ったら高校生たちが、パニックになっちゃうよ!!』


佐村『大丈夫だって。』


私『大丈夫って・・・そういえば、結婚発表してないから、私はどうすればいいの?』


サムは笑いながら私に言った。


佐村『初日は午前中で終わってたろ?部活も休みだったはずだ。』


そうだったかな・・・10年前のことなんて、覚えてない・・・。


ということで、私たちは母校にやってきた。


私『入れる?』


佐村『そりゃ入れるだろ。学校だぜ?』


私たちは校門をくぐり、テニスコートが見えるベンチに座った。


佐村『柳田、可愛いかったろ。小麦色の肌にミニスカートでテニスボールを打ち返す姿が可愛かったな。』


私『帰ったら籍を入れるのに、それ言う?』


佐村『柳田が来てるからな。』


私『え。』


ばっ!!誰かに目を手で覆われた。


私『う、うわあ!?』


???『さて、私は誰でしょう。』


私『公子!!』


公子『正解(笑)』


一体、どういうことだ・・・公子の登場が唐突すぎる・・・キャスト不足かな・・・。


公子『正月休みがずれ込んだから、来ることが出来たんだよ。結婚するんだって?』


佐村『所謂、結婚アドバイザーだ。』


私『公子は離婚してるじゃん!!』


公子『だから、離婚しないようにアドバイスをしてくれって、佐村くんに頼まれたんだよ。』


私『ちょっと待って・・・なんで電話番号を知ってんだよ・・・このやろう!!』


佐村『去年の大晦日に教えて貰ったんだよ。』


私『・・・。』


公子『番号を教えて、初めてかかってきたのは三日前だから安心して(笑)』


私『・・・まだ、大学の友達の人と同棲してる?』


公子『うん。』


私はホッとした。


佐村『もし、柳田と俺が関係があったら二人を鉢合わせないだろ(笑)』


私『いや、ドラマとかであるんだよ!?悪い男がスリルを味わいたいためにわざと二人を近づけたりするのが!!』


公子『なにそれ(笑)昼ドラ?最近、忙しいからドラマも見れてないんだよね。結婚したら、主婦になっちゃうの?』


私はサムを見た。


佐村『自分で決めないと。俺は女だから家庭に入れなんていう、古い考えは持っていない。』


私『うん。でも、役割を決めつけちゃうのは良くないって聞いたことがあるの。私は”とりあえず”専業主婦をやるよ。』


この”とりあえず”が消えたのは葉を身篭ったのがわかった日から。


私『まだ傷も残ってるもんね。』


佐村『多分、これは一生残る(笑)じゃあ、俺も家事を手伝うよ。』


公子『それ言っちゃダメ。』


佐村『え?』


公子『出来もしないこと言って、失望させちゃダメだって。』


出来もしない・・・いくら公子でも、そんな言い方は許せない。せっかく、サムが優しい言葉をくれたのに・・・がああああ!!


私『自分が離婚した腹いせに親友の夫に偉そうなこと言わないでよ!!』


佐村『あ・・・ダメだって・・・柳田、離れろ。』


公子『え?え!?』


私『放してよ!!公子は全てにおいて・・・優れているから・・・私には勝ち目がないから・・・うう・・・。』


私は泣きじゃくった。自分でも抑えられなかった。実は我慢していたのかもしれない。私の全てにおいて勝っている公子に。それが爆発しちゃったんだ。公子が離婚したから、私は離婚しないようにって思っているのに、サムに偉そうな口を聞いたから。


私はサムに車の中で眠ってろと言われた。しょうがない、私はいかれてるから。


公子『どうしちゃったの・・・色葉・・・。』


佐村『色々あって、心に傷を負ってるんだよ。大分、頻度は減ったけど、何かの拍子でああなることがある。』


公子『そう・・・でも、私、悪いこと言ったかな・・・。』


佐村『・・・言ってない。今の色葉にとって、俺は相当大事な人間みたいで・・・ちょっと前は人見だったんだけどな。』


公子『・・・ごめん、涙が出てきちゃった・・・色葉に結婚後のこと聞いてたけど、働かせる気なんかさらさらないよね・・・。』


佐村『正直、今の色葉だと外で働くのは難しいと思う。それは自分でもわかっていると思って聞いたんだ。』


公子『なんで、あんな風になっちゃたんだろ・・・。』


佐村『本当にたまにああなるんだ。いつもは普通だぜ(笑)・・・心配するなって、色葉には俺がついてる。』


公子『うーん、過大評価って言いたいけど、色葉を守って・・・一生・・・。』


佐村『ああ。あんな姿を見ても、色葉とは普通に接してくれよ。麻里もいるけど、幼馴染みで親友なのは柳田だけなんだから。』


ZZZ...


私『んん・・・。』


公子『色葉?』


私『ああ・・・公子・・・。』


公子『また、眠っちゃったんだ(笑)』


映画館・・・?


私『そ、そうみたい。ははは(笑)』


公子『高校卒業したらどうする?私は大学に進学したいんだよね。』


私『私はね・・・。』


ZZZ...


ガチャ


私『ん・・・。』


佐村『写真を撮りに行こう。柳田がいいとこ、知ってるらしいから。』


後部座席に公子が座ってる。私はあまり、いい気じゃない。

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