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#68 デートと成長性

今日は休養日であり、パーティーとしてはクエストもアルバイトもお休みだ。

まぁ、アルバイトなんてメンバーが増えてからは、一度もしていないのだが。


だが、休養日であってもリーダーの自分にはしなければいけないことが山積みだった。

アキメネスたちの様子を確認し、武器工房で新しい武器のアイデアを提案。

さらに商業ギルドへ向かい、新商品の打ち合わせをしたりと、なんだかんだと忙しく動き回る。


もちろん、自分は命を狙われている身だ。

基本的に一人行動は禁止されている。


そのため、今日の用事にはルピナス、ヘリオ、ハートの恋人三人組が同行してくれていた。

本当は全員が付いてくる勢いだったのだが、それでは休養日の意味がなくなってしまう。

そのため、他のメンバーはお留守番だ。


「よし、これで一通りの用事は終わりかな」


商業ギルドを出て、自分は大きく息を吐いた。

アイスやクレープの新商品や、ムスカリの発明した回復ポーションについての商談がおおよそまとまった。


さて、これからどうしようかと考えていると、不意に彼女たちから囲まれた。


「クローバーさんや。用事が終わったのなら、次は私たちの番ですよね?」


「……デート、したい」


「ふふ、ここ最近はまともにイチャイチャできていませんでしたからね、ご主人様」


上目遣いのルピナス。

服の裾を引いてくるヘリオ。

耳をパタパタと嬉しそうに動かすハート。


確かにここ最近、それどころではない状況が続いていたせいで、そんな空気ではなかった。

せっかくの休養日。

可愛い恋人たちからのお誘いを、断る理由なんてどこにもない。


「わかった。今日は三人にとことん付き合うよ」


自分の言葉に、三人の顔が一気に華やいだ。

こうして、四人による賑やかなデートが幕を開けた。


まずは食事を済ませようと、お洒落なカフェに入る。

全員で違う種類のパスタを注文し、お互いに味見をさせ合ったりもした。

可愛い恋人たちからの「あーん」に、自分の顔は終始緩みっぱなしだった。


次に向かったのは服屋。

普段は選ばないような服を着せられたり、逆に自分が選んだ服を彼女たちに着てもらったり。

ファッションショーさながらに盛り上がった末、気に入ったものをいくつか購入した。


その後は広場に移動し、お店で買ったクレープやアイスを仲良く食べる。


それからは雑貨屋を巡ったり、珍しい装備品を眺めたりと、とにかく楽しい時間はあっという間に駆け抜けた。

ここ最近の疲れが一気に吹き飛ぶような、最高の充実感だった。




楽しい時間はあっという間に過ぎ、夜を迎える。

自分の部屋に戻り、ベッドに入って眠りにつこうとした時。

コンコン、と自室のドアがノックされる。


ドアを開けると、薄手のネグリジェを身にまとったルピナス、ヘリオ、ハートの三人がそこに立っていた。

昼間の元気な様子とは打って変わって、酷く艶めかしくて目のやり場に困る。


「クローバー。今夜は一緒に寝ませんか……?」


すでに夜の関係も一度や二度ではない。

当然、断る理由などないので、自分は彼女たちを部屋へと迎え入れた。


広めのベッドの上、四人で身を寄せ合う。

今日のパスタが美味しかったとか、あの服が似合っていたとか、他愛のないデートの感想を語り合う。

その心地よい温もりに包まれているうちに、昼間の疲れも手伝って、自分はいつの間にか深い眠りに落ちてしまっていた。


すやすやと、穏やかな寝息を立て始めるクローバー。


「あ、寝ちゃいました」


「……おやすみ、クローバー」


「ふふ、やっぱりお疲れだったんですね」


三人は優しく微笑み、クローバーの髪に触れる。

しかし、その表情にはどこか残念そうな色が混ざっていた。


「……ねえ、二人とも。ちょっと相談があるんですけど」


ルピナスが声を潜め、ベッドの中で二人に囁いた。


「今のところ、こういう夜のお誘いっていつも私たちからばかりだと思いませんか……?」


「……確かに。クローバーから襲ってきたこと、ない」


「そうですね。お願いすれば断られることはありませんし、ご主人様も決して行為がお嫌いという風には見えないのですが……」


「もしかして……私たち、魅力不足なんでしょうか」


ルピナスがネグリジェの胸元を気にしながら、不安そうに呟く。

確かに三人とも、その膨らみは慎ましかった。


「あ……」


「……たしかに」


ハートとヘリオも自身の胸元を眺め、動揺し始める。

ベッドの中で、『胸の成長性』についての緊急談義が始まった。


「ルピナスのお義母さんはどう……?」


「私のお母さんは、その、そこそこあります」


「ボクのママも、結構ある」


「私の母は……すごく大きいですね。どうして親子で、ここまで差が生まれるのでしょうか……」


遺伝的には、三人とももっと成長してもおかしくないはずだった。

しかし悲しいかな、現在のところ三人にその兆しは一切ない。


「……このままでは、ご主人様に呆れられてしまうかも」


「……絶望」


「こうなったら、ムスカリに何か薬でも作ってもらいましょうか……!」


真剣に薬物による解決まで検討しだす三人。


ちなみに、スヤスヤと眠るクローバー自身は、むしろ小さい方が好きである。

もし薬で大きくなろうものなら、改善どころか悪化してしまうのだが――、彼女たちはその事実を知らない。

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