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第10話:『コロニー落とし』

     1.(起)

……何が起こった……?

改めて自身の腕を確認する。左右とも、二の腕から先を鋭利な刃物で断たれたかのように、鮮やかな断面をさらしていた。……出血は、殆どない。


     2.(承)

➖➖佐和子、てめぇは、大きな勘違いをしている。俺の能力に見合う実体が、この身体だけしかないってのが最大の弱点だと思ってるだろ?……確かに霊体のままだと、実体とは違って精密な動きはできないからなぁ➖➖


     3.(転)

どこからともなく、銀次の声が脳裏に響く。再度、わたしを囲んでいる村人たちに目を向けた。確実に二桁以上はいる。だが全員焦点が合ってないガラス細工のような目をしていた。そして、一斉に各々が持つ鍬や鎌をわたしに向かって振り翳した。


     4.(結)

➖➖だが、全てを『苧麻からむし』が解決してくれた。……てめぇも知ってるだろ?この寒村地帯の特産物のことだ。死人も、こうやって意のままに操れるぜ。てめぇの前にいる村人どものようになぁ➖➖


隙間からこちらを覗く香織……いや、銀次を見つけた。奴の両腕は、半透明な日本刀の形状へ変貌していた。その様は、獲物を狙う巨大なカマキリそのものだった。


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