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第120話侵入しますか?

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 桶ノ町は鹿羽市の中央からやや南側に位置する町だ。

 駅近くの国道筋は比較的栄えていて、ビルが立ち並んでいる。旭達が一時身を隠しているというビルはその中にあった。


 それほど背の高いビルではない。小規模な事務所、といったところか。正面の入り口は閉め切られている。


 ――流石に鍵も締まってるか……。


 ゾンビの侵入を防ぐためだろう、最低限の用心はしているらしい。

 だが、


「見張り、いないのか?」


 万一のこともある、人手があるなら誰かを出入口付近に置いておくべきだろう。

 それなのに、ビルの一階へ現れた袈刃音の存在に中の者達が気付いた様子がない。


 無論、ドアが施錠されている以上、袈刃音も正面から内部に足を踏み入れることはできないけれど、この感じだと。


「やっぱり、二階は相当不用心だな」


 どこかの部屋か。夜というのもあって見えづらいが、ビル側面の通路を歩いていくと二階の窓が三割ほど開いていた。


 高さは三メートル強といったところ。今の袈刃音であれば余裕で届く。


「いや、不用心なのは俺もか。やばいな、これ……」


 冷や汗こそ止まったが、未だ万全の状態には遠い。

 これから隠密行動をするというのに、どうにも注意が散漫になりがちだ。


 気を抜いていると誰かに見つかってしまう。

 軽く頬を両手で叩いて気持ちを切り替え、袈刃音は跳躍。二階の窓の淵に右手を掛けた。


「……よっ」


 腕の力で体を持ち上げ侵入する。暗闇の中、周囲を確認すればどうやらここは便所らしい。

 と、そこで室内の照明が点灯する。


「――はぁ、何でお前までついて来んだよ。最低一人は見張りで残ってろ、って藍刃の奴に言われてたろ」


「別にいいじゃん、どうせ誰も入れねぇのにダリィっての」


「まぁ、そりゃそうかもだけどよ……」


 咄嗟に掃除道具用のロッカーに身を隠すと、少年の声が二つ便所の中に入って来た。

 タイミングの悪いことにどうやら見張り番をサボりに来たらしい。


 声に聞き覚えがある。これは……恐らく、霞雅と共に袈刃音を虐めていた連中の者か。


「ん?こんな窓空いてんじゃんか」


「あ、んとだ」


 一瞬「不味い」、と内心焦る。

 しかし、二人はそれ程不審に思わなかったのか、窓を閉めるだけで話題がすぐに変わった。


 他愛もない愚痴だ。霞雅がああだとか、愛羅がこうだとか、ゾンビがそうだとか……。ただ、彼らがビルのどこに身を隠しているのかが分かった。三階だ。


 そうしている内に用を足し終えた二人がトイレから出ていく。


「……」


 誰もいなくなった部屋の中、袈刃音は静かに闇の中を進み始める。







何となく、【祝・連載120話目!】


気付けば文字数も26万字、紙の本で言えば2冊と半冊分くらいになります。

少しずつ少しずつ、ブクマや★評価も頂いて、色々と過去最高レベルの作品になりつつありますこの作品!

目下の約束の3章完結に向け、さらに頑張って行きたいと思います。ので、応援頂ければ超嬉しいです!




【・ご案内】

 下の★★★★★の部分は、読後、ぜひ本作の評価にお使いください。

 ブックマーク、感想などもよければ。


 作者のモチベーションとなります。


 《完了》





【次の話へ進みますか?】

【→はい/いいえ】

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