第119話闇に潜みますか?
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日付、7月18日。
時刻、20時16分。
暗闇で青白く光る携帯画面を右手に、三浦袈刃音はビルの壁に背を預けた。
端末から着信音が鳴り始める。
相手は確認するまでもない、藍刃愛羅だ。
迷うことなく少年は通話をオンにした。
『――も、もしもし、袈刃音君。良かったぁ、やっと繋がった。もう二日も……』
「それより藍刃さん、今どこに?」
『え?』
遊戯神によって外界から隔絶された鹿羽市だが、全てが遮断されたわけではない。
恐らく、ゲームフィールドへの出入りを禁じられているのは生物のみなのだろう。
少なくともGPSや携帯電話が問題なく使える。電波は通り抜けられると見ていい。
袈刃音には、それが次に動くための唯一の手掛かりだった。
旭達の居場所は当然把握している。
『えっと、今は桶ノ町のビルにいるけど?あっ、朝比奈さんも、袈刃音君のお父さんやお母さんも無事だよ!あと、霞雅君と何人かうちの生徒とも合流してて、その……ごめんなさい。あんなところで出くわすなんて思わなくて』
「……」
当然、霞雅の動向も未来の情報から知り得ていた。
警戒すべきはむしろ愛羅の動きの方だ。
これから彼女は【守護者】と結託し、袈刃音が守りたかった者達の命を次々と奪って行く。
これからここで――桶ノ町で。
袈刃音の独占が目的なのだろう。今は協力的な態度を装っているが、すぐに愛羅の化けの皮は剥がれる。
その前に、今度こそこの手で始末しなければならない。
だから誰にも、愛羅本人にさえ、この殺意を知られてはならない。
『袈刃音君……?』
「あぁ、分かった。知らせてくれて良かった。引き続き、そっちは任せるよ藍刃さん」
『う、うん。大丈夫、私に任せて。君のためなら、私、頑張るから……。じゃあ、そろそろ皆の所に戻らないと。また、ね?』
そう言って、愛羅は通話を切った。
袈刃音は携帯の電源を落とし、再び夜に紛れる。
行く先はそう――旭達が留まる件のビルだ。
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《完了》
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