第118話次に移りますか?
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響は差し出されたビャクヤの手を静かに取った。
神の【守護者】と人間との間で結ばれた一つの契約。
互いを縛るのは言葉のみという、酷く軽薄な約束。
それ故にビャクヤは少女に尋ねた。
「いいのかな、俺をそんな簡単に信じて。未来は行動一つで変えられる、変わってしまう。いくら未来で協力関係にあったからって、今の俺と未来の俺が取る選択は別なはずだろ?」
「いや、アンタは私を裏切らない」
「え?」
ビャクヤの顔に疑問の色が浮かんだ。
「未来を『経験』してからかな?何故か聞こえるんだ、相手の考えていることが。アンタの考えも……アンタは、私なら自分の代わりにトゥラヌアを殺せると踏んでいる。だから裏切らない」
「…………なるほど、今ので君のことが色々分かった気がするよコマド・ヒビキ。確かにそうだ、俺は神界の規定で【守護者】同士の直接の殺し合いを禁じられている。アレはトゥラヌアじゃないけれど、別の神の【守護者】でね。奴め本物の能力と地位を奪って、それを気取られないようにして――挙句、秘かに神殺しを企てていると来た。ハッキリ言って、邪魔なんだ」
「……っ」
響は背中に怖気が走るのを感じた。
それまでどこか柔らかだったビャクヤの表情に、微かだが冷徹な殺意が表れたのだ。
一瞬、少女はこの男と手を組んだことが致命的な誤りであるとすら思った。
自分の中の小さな怯えを隠しながら、響はビャクヤの手を放す。
だが、月に照らされた青年の怪しい美貌からは目を離さない。
「ビャクヤ、そう呼んでもいいかな」
「あぁ、そう呼んでくれよヒビキ。俺達、ナカマになったんだから」
「……そうだね。じゃあここからは少し長話になるし、「さくらい」について来て。一緒にいた女の子も連れて」
「りょーかい。ふふん、楽しくなってきたね」
月夜の中、ビャクヤの顔に微笑みが浮かぶ。
賽は投げられた。
残された時間も決して多くない。
「やるしかない」と響は心の迷いを消し去り、次の行動へ移った――。
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《完了》
【次の話へ進みますか?】
【→はい/いいえ】




