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ファンタジー短編集(中編集)  作者: はくびょう
やる気なし少女は天下人に飼われる
16/43

6

男は史実通りその戦に勝利した。


それだけじゃない。

男は何度も戦をし、何度も勝利した。



少女と男の関係はいつまでも変わらなかった。

男が外で何をしようと少女はいつも通りの無気力さで迎える。

男が怪我をして帰ると少し心配そうにするが、それでも無表情・無気力を崩しはしなかった。



男がどんなことをしようと少女は何も言わなかった。

男の評判を全く知らないはずもないのにもかかわらず。

魔王と呼ばれる男と少女の日々は何も変わらなかった。






とある日の夕暮れのこと。


少女はいつも通り男の仕事部屋で寛いでいた。

いつも通りと言っても、そこはもう岐阜城ではなく、あの有名な安土城であるが。



ただいつもと違うことが一つ起きた。



「殿。」



障子の外から声がした。



「ああ、もうそんな時間か。」



そう言うと男は立って障子を開けに行った。

男が開けた障子の間から声の主が見えた。


声の主はチラッと少女を見た。



「噂には聞いておりましたが、随分毛色が違う猫ですね。」



「おまえは見たことがなかったのか。なかなかおもしろい猫だぞ。」



「それはそれは……」



その男はにっこりと優しげに少女に微笑みかけたが、少女はなぜだか好きになれなかった。



「行くぞ、光秀。」



男に促されて2人は出て行った。



少女はただ呆然と2人が出て行った方を見つめた。





「みつひで……明智あけち……光秀みつひで……」





その名を少女が知らないはずがなかった。


少女はさっき会った初対面の男を思い出し、何か考え事をしていたようだが、すぐに止めて寝っ転がった。





「めんどくさいや。」





少女の呟きは天井に吸い込まれていった。

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