15/43
5
「ねぇ、いいの?」
「あ?」
「また戦に行くんでしょ?ペットと縁側で甘味なんて食べてていいの?」
あれから数日後、男は少女と縁側で甘味を食べていた。
「構わん。準備はもう整っている。」
「ふーん。」
少女は少し考え事をしているようだ。
「ねえ、浅井長政のことどう思ってる?」
自分を裏切った相手をどう思っているのか少女は聞いてみた。
「別に。裏切られる覚悟くらいしている。そんなもんをいちいち根に持っていられるか。」
少女はただ黙って聞いていた。
「それにやつにはやつの信念があり、それは俺の道とは違うとやつは判断したんだ。ただそれだけのことだ。だが……次は絶対潰す。」
男は少女が見たことのない強者の目をしていた。
おそらく少女の相手をしていないときの男はそんな目をしているのだろうと少女は思った。
この男は織田信長なのだから。
「今度も早く帰って来てね。暇だから。」
少女はいつも通り無感情で囁く。




