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契約者と契約獣の魂融合  作者: 高島京佑
テスタメント学園入学編
22/26

神喰い

 今回は、いつもより話が長いです。

アルドとリュキアは、テスタメント学園の生徒や教員や住民にばれないように地下シェルターから抜け出した。


「おいおい、嘘だろ!?」


「僕達の学園がプレズィール街が」


 アルドとリュキアは、地下シェルターの外の光景に驚いた。それは、しかたのないことだろう。テスタメント学園やプレズィール街、そこから十数キロ範囲には、シムルグと優里、レイアとの戦いで大きなクレーターや鋭利な物で切られたかのような切れ目などが、多数出来ていたからだ。


「アルド君地下シェルターに戻らない?」


 地下シェルターから出ることが反対だったが、アルドに押し負けて一緒に同行していたリュキアは、地下シェルターに戻ろうとアルドに言う。アルドも外の光景を見て危ないと思ったのか直ぐに、賛成、反対の意見が出なかった。

 その瞬間、アルドとリュキアの運命が決まった。本当なら外の光景を見て直ぐに逃げ出すべきだったのだ。だが、もう遅い。シムルグとの戦いに巻き込まれることとなった。

 アルドが、リュキアの言葉にどう返答しようか迷っていた瞬間、アルドとリュキアに強力な風が襲った。アルドとリュキアは地下シェルターに出る前に、《契約武装(アーティファクト)》を顕現させていたのが幸いして、数キロメートル吹き飛ばされる程度で済んだ。


「今のは、狂獣(バーサーカー)の攻撃か。大丈夫かリュキア」


「なんとか大丈夫だよ」


 アルドとリュキアは、風に数キロメートル飛ばされ地面に直撃し、身体はボロボロだった。


「今のは、俺達を狙ったのか?」


 アルドは、地面からよれよれと立ち上がり、風が来た方に向いた。そこには、もう狂獣はいなかった。それは、当たり前だ。優里と戦っているのだから。


「おい、今のは風は俺達を狙ったんじゃねぇのかよ」


「優里君とあの狂獣はどこに行ったんだろう」


 アルドとリュキアが何処にいるのかと狂獣と優里を探していたら、アルドとリュキアに凄い速さで飛んでくる影があった。その影は、アルドとリュキアの直ぐ近くの地面に直撃した。


「何だ・・・おい、優里大丈夫か!!」


「どうしたの・・・優里君!!」


 凄い速さで地面に直撃したのは、優里だった。地面に直撃したと言っても、吹き飛ばされている途中に身体を少し回転させ、足が地面に直撃するようにしていたため、殆んどダメージは受けていない。


「アルド、リュキア何でここにいるんだよ!速く地下シェルターに逃げろ!」


 優里は、アルドとリュキアが、近くにいたのに驚いたが、優里がその場に留まっていたら、2人が巻き添えを食らうの防ぐ為に、直ぐにシムルグの方に向かって行った。

 

「優里君・・・行っちゃった」


「リュキア!!優里が何か落として行ったぞ」


 アルドは、優里が落として行ったであろう、結晶のような物を拾ってリュキアに見せた。


「これ、大事な物だったらどうしよう」


「あの狂獣を倒す為の秘密兵器って可能性もあるしな」


 優里が落して行った結晶のような物をどうするか2人で少し悩んで、結局優里に届ける事にした。


「けどどうやって渡すの?」


「まあ、あの強い風が吹き荒れているとこに向かっていれば、会えるだろう」


 アルドとリュキアの2人は、優里と狂獣が戦っているだろう方向に向かって移動を開始した。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 アルドとリュキアが、地下シェルターから出る少し前、シムルグに向かって優里は、数十の斬撃をシムルグに飛ばしながらシムルグに近づいて行った。シムルグは、斬撃を受け続けているので反撃は出来ず、優里の接近を許してしまった。


「金剛脚」


 優里は、金剛脚を使い、黄金に輝く脚でシムルグを空中に蹴り飛ばした。シムルグは、上空に蹴り飛ばされながら、優里に風を起こして優里を襲う。


「天歩」


 優里は、襲い来る風を天歩で空を蹴ることで、風を避けた。優里が天歩で避けた風は、数キロメートル先ぐらいで消えた。優里が天歩を使う前に、シムルグは再生し終え、上に向かって飛翔して、天歩で優里が避けた先に急降下した。上空から加速したシムルグの巨大な身体は、優里に直撃し、数キロメートル吹っ飛んだ。優里は、吹っ飛んでいる最中に身体を少しだけ回転させ、先に足が地に着くような体制になり、地面に着地した。


ー身体は、まだまだ余裕で動くな。攻撃の威力は下位の神獣種よりしたぐらいだな。やっかいなのは、あの再生力だな。あの再生力を何とかしないとな。


 優里が地面に着地すると、自分を心配する声が聞こえてきた。その声の方向に顔を向けたら、アルドとリュキアがいたので優里は少し驚いた。


「アルド、リュキア何でここにいるんだよ!速く地価シェルターに逃げろ!」


 優里は、自身とシムルグの戦いに巻き込まないように、アルドとリュキアに逃げろと告げ、2人がシムルグに狙われないように直ぐに地面を蹴ってシムルグに向かって行った。

 シムルグの方も優里が、向かってきているのが見え、そこから風ではなく、2つの巨大な竜巻を起こして、優里にぶつけてきた。


「《契約武器(アーティファクト) 形態変換》」


 優里は、自身の契約武器を形態変換させ、双鉤爪からあらゆる物を両断できそうな、刃渡り2メートルの巨大な片刃の大剣に変換した。


「金剛武装!!」


【金剛武装】

 金剛の力を自身の武装に集中させ、その武装の切れ味、耐久力、威力を格段に上げる技。


 優里は、片刃の大剣に神威(カムイ)を纏わせ、2つの竜巻に向かって斬る。2つの竜巻は、一瞬で斬れた。その斬|撃は、シムルグにまで届き、シムルグを両断までは行かなかったが、胴体を斬った。シムルグの胴体は、斜めに巨大な切傷が出来ていた。だが、それもシムルグの再生力で直ぐに消えた。


「やっぱこれじゃあ倒せないか」


 優里が、あれ《・・》を使うしかないと思い始めていた時に、超越者のみにしか使えない神級魔法を一回使用できそうなくらいの大量の神威が現れた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 優里が落とした結晶のような物を優里に届けるべく、優里と狂獣が戦っている場所へ移動していた。


「もう少しで、追いつくか?」


「段々、周りの風の強さが増していっているから、そろそろあの巨大な狂獣が見えると思うな」


 アルドが、まだ優里の場所に着くのは愚か、シムルグさえ見えない状況にまだ追いつけないのかとリュキアに聞いてみた。リュキアが、アルドに返答して直ぐに、2つの竜巻が数キロメートル先に現れた。


「あの、竜巻はやばいな。巻き込まれたら終わりだ。逃げるぞ!!」


「うん!!」


 アルドとリュキアの2人は、2つの竜巻に飲み込まれないようにその場から逃げ始めた。だが、もう遅かった。2つの竜巻の距離が段々、近づいてきてアルドやリュキアの様なBランクの生徒では、竜巻の風に抵抗できず、2つの竜巻の方向へ、飲み込まれた。竜巻に当たる1キロメートルぐらい前で、2つの竜巻は消えた。2つの竜巻が消えたことで、アルドとリュキアは、下に落ちた。


「いたた、アルド君大丈夫?」


 地面に落ちたリュキアが、アルドを心配した。リュキアのその言葉にアルドは応じなかった。


「う、うぐぐ、ぐぅ」


 急にアルドの身体から異常な程の神威が溢れて出した。アルドは、自身の神威の最大値から次元が違うような神威の量に苦しんでいた。


「だ、大丈夫。どうしてアルド君がこんなことに・・・あ」


 リュキアは、アルドの足元に、優里の落として行った結晶のような物が砕けていることに気づいた。


ー多分あれを砕いたから、アルド君の神威領が増加してあんなことになっているだ。どうしたいんだろう?


「アルド、神威を気か魔法に変換させないと死ぬぞ」


 巨大な大剣を持った、優里がリュキアの近くに現れてそう言った。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 優里とシムルグと戦っている最中に急に膨大な神威が現れた。優里は、ポケットに入れていた結晶が無いことに気づいて、その正体に大体予想が出来た。


ー多分、アルドとリュキアに会った時に落として、どちらかが結晶を砕いたんだろうな。


 優里は、そう結論付け膨大な神威が現れた方へと向かう事にした。


「黄道十二奥義 双魚座(ピスケス)


【黄道十二奥義 双魚座】

 黄道十二奥義の一つ。自分を二人にする奥義。黄道十二奥義の中でも一番神威の消費が激しい。


 黄道十二奥義 双魚座でもう1人の自分に、シムルグの相手をさせ、その間に優里は、膨大な神威が現れているところに向かった。


ーあれは、アルドか。アルドが結晶を壊したのか。


「アルド、神威を気か魔法に変換させないと死ぬぞ」


 優里は、リュキアとアルドを見つけ、そこに移動した。そして優里は、アルドに速く気か魔法を使うように言った。


「そ、そんな事言ったってなあ。うぐっ」


ー気か魔法を使えったって何を使えばいいんだよ。俺が使える魔法や気で、この異常な量の神威を消費する技なんて・・・っあ!!あるじゃないか1つだけあの魔法が!俺とミノタウロスの絆は、十分な筈。後は、俺の力だけだ。普段の俺なら絶対に使えないけど、今の俺なら行ける筈だ。この異常な程の神威で無理やり使えば出来る筈。


「会ったぜ。この異常な程の量の神威を消費出来る魔法が!!俺の固有魔法なら出来る」


【固有魔法】

 契約者(ミスラ)契約獣ミトラの絆と力がある領域に達することで、使用できる魔法。契約獣の種族の種類によって固体魔法が決まる。勿論使用する契約者の力が強ければ強いほど、固体魔法の力は強くる。


 アルドは、苦しげな表情だが、無理やり笑って言った。


「行くぜ!!俺とミノタウロスの固有魔法だ!!」


ー頼むぜ!ミノタウロス(相棒)!!


 アルドのその言葉に応じるかのように、聖刻(スティグマ)が輝いた。


奈落の迷宮(アビス・ラビリンス)!!」


 アルドは、今の状態で詠唱は出来ないと考え、異常な神威量で無理やり無詠唱で発動させた。


「す・・まん。もう・・げ・・かい・・だ」


「アルド君!!」


 アルドは、そう言いながら倒れた。リュキアは、アルドが地面に当たりそうなギリギリでリュキアがアルドを支えた。


 アルドが発動させた魔法は、上空で巨大な黒い球体ようなものが現れていた。


「なあ、リュキア。奈落の迷宮ってどんな固体魔法何だ」


 優里はミノタウロスの固体魔法の能力を知らなかったので、リュキアに聞いた。


「奈落の迷宮は、ゲートが顕現されてそのゲートをくぐると迷宮に転移する魔法だよ。その転移した迷宮は使用者の意のまま操れる能力だよ」


「それって、その迷宮は此処と繋がっているのか?」


「ううん、入り口はゲートからだけで、出口は使用者を倒すか、使用者に出してもらうかだけだよ。あとは、無理やり迷宮を壊すことかな。実力差が異常にないと無理だけど」


 リュキアに能力を聞いた瞬間、優里はニヤリと不適に笑った。その瞬間、優里は、神威を高め始めた。


「リュキアはアルドを連れて、地下シェルターに行ってアルドに治療をしてもらいに行け」


「俺は、シムルグ(アイツ)をあのゲートを使って無理やり転移させて、倒してくる」


「なら、そのゲートにシムルグを入れる役目は私がしよう」


「「(テンペシ)先生!?」」


 レイアが急に現れたことに優里とリュキアは驚いた。


「テンペシ先生その怪我で大丈夫なんですか?」


 リュキアが、レイアの身体がまだボロボロだったので心配で聞いた。


「もう動ける。私も生徒に良い所を少しは見せないと、教師としての示しがつかん!!」


「《契約武装 グリンブルスティ》」


 そう言ってレイアは、契約武装した。その契約武装は、シムルグの時に使った契約武装と違うとこがあった。それは・・・


「大剣が2本!?」


 レイアの武器である大剣が1本から2本に変わった事だった。契約武装をした瞬間に、シムルグに向かって飛び出した。


「黄道十二奥義 牡牛座(タウラス)


 黄道十二奥義 牡牛座を使って、ゲートがシムルグの後ろの位置に来るような場所に移動した。シムルグは、優里の黄道十二奥義 双子座の分身によってレイアを攻撃できなかった。


「行くぞシムルグ!!」


 レイアは、大剣を猪の牙の様に構えて、シムルグに突撃する。神威を出来るだけ使った、レイアの渾身の一撃だ。


「猪突猛進!!」


 シムルグに一直線に突撃する。その突撃は、シムルグの胴に直撃し、そのまま吹っ飛ばす。シムルグは、胴に2本の巨大な穴が開き、ゲートに向かって吹っとんだ。そしてそのまま、ゲートの中に入っていった。


ー教師として情けないが、後のことは頼んだぞ。優里。


 レイアはそのまま、地面に落ちていった。


「後は、任せてください」


 優里は、落ちていくレイアに向かってそう言って、シムルグがゲートに入った後、直ぐに優里もゲートの中に入っていった。

 



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ゲートの先は薄暗い、遺跡の迷宮になっていた。


「ここが、奈落の迷宮の中か。少し暗いな」


閃光玉(フラッシュ・ボール)


 優里は、奈落の迷宮が少し暗かったので、下級の光属性の魔法を使い、輝く玉を周囲に作って、周りを明るくする。そこには、レイアに攻撃された箇所を再生しているシムルグがいた。


「ここならもう大丈夫だろ。本気を出しても!!」


 優里はそう言って、神威を高め始めた。優里の神威は爆発的に上昇した。今までシムルグと戦っていた神威とは比較にするのもば愚かなほどに。


ーやっと本気が使える。あそこで本気になったら、超越者だとバレるかも知れないからな。この奈落の迷宮で力を使っても向こうからは、見えないしな。


「ウル、食事の時間だ」


『分かったよマスター。あれをするんだね』


 優里は、大剣を構えてシムルグに向ける。そしてフェンリルであるウルのみが使える能力を発動させる。


「喰らえフェンリル!!神喰い(ゴット・イーター)


 優里の大剣から、禍々しい黒いオーラが溢れる。そして白銀の大剣も、禍々しい黒いオーラよりも更に濃い漆黒になる。そして、大剣だけでなく《契約武装》の武装全てが大剣と同じ様になった。


「破壊しつくしてやるよ」


 シムルグは、恐怖した。狂獣なのに、優里に恐れを抱いた。シムルグは、優里を攻撃せず、全力で防御に力を注ぎ、巨大な風のバリアを作った。


「行くぞシムルグ!!」


 優里は、シムルグに向かって行った。そしてシムルグを守る巨大な風のバリアを、大剣を振り下ろすのではなく、大剣を片手で持って、大剣を持っていない方の腕で壊した。そしてシムルグを大剣で斬る。

 シムルグは、身体を斬られた。優里に反撃しようと攻撃するが、優里はもうその場にはいなかった。シムルグを斬って直ぐに後退したのだろう。だが、その後退したところをシムルグは一瞬も見ていない。今までは、見えていたのに見えなかった。その驚きでシムルグは、気づかなかった。自分の身体が再生していないことに(・・・・・・・・・・)


「黄道十二奥義 双子座(ジェミニ)


【黄道十二奥義 双子座】

 黄道十二奥義の一つ。自身の速度を急上昇さえ、分身したかのように相手に見せる技。


 優里は、黄道十二奥義でシムルグを翻弄しながら斬り裂いていく。シムルグを斬るごとに優里の神威の量は増えていった。

 神喰いの能力は、神威に触れることで、神威を【契約武器】が喰らい、その神威を自分のものにすることが出来る。シムルグの風のバリアも一撃で壊したのも、実際に壊したのではなく、喰らったのだ。


「これで終わりだ!!」


 優里は、神喰いの力を上昇させ、大剣を地面に向かって振り下ろした。神喰いのオーラが地面に向かって放たれ、迷宮の全てに広がっていく。そのオーラも、神喰いの力であり。神威を喰らっていく。シムルグもオーラに飲み込まれた。

 シムルグの再生の力は、膨大な神威によって再生しているので使えず。更にミフルミールでは、狂獣や契約獣(ミトラ)伝説の獣(アスラ)は、膨大な神威の塊として存在しているので、神威を全て無くなるか、死ぬことで、元の世界へと返る。

 オーラは際限なく広がって行き、シムルグを喰い尽くし、迷宮の全ても食い尽くした。奈落の迷宮を喰らい尽くしたところで、優里は、神喰いの力を消した。



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