クロノスキューブ
狂獣が現れて数分が経過した。そして、狂獣が現れたプレズィール街を中心に台風が起きていた。そして、その台風の中で狂獣を倒すためにテスタメント学園からプレズィール街に向け走る者が2人いた。
「レイア先生」
「何だ。新城」
優里は、走りながらふと気になったことがあったのでレイアに質問した。走りながらと言っても実際は、普通の人が見ようとしても見えない異常なスピードで走っているが。
魔法も気も使わずにそんな異常なスピードで走れる理由は、唯身体能力が以上に高いと言うこともあるがそれだけではない、契約獣のおかげだ。契約者は、契約している契約獣の能力を契約武器を使わずに一部だけ、身体能力や能力を通常状態で使うことができるからだ。
「狂獣が、暴れて破壊された被害ってどうなるんですか?」
「何だ、プレズィール街やテスタメント学園を心配しているのか。それなら心配はいらん」
「それは、何でなんですか?」
レイアはそんなことも知らんのかと頭の中で思いながら、優里に説明する。
「クロノスキューブと呼ばれる漆黒のキューブと呼ばれる者を使う。そのクロノスキューブと言う物は、スイッチが有り、そのスイッチを押すと起動させることが出来る。クロノスキューブの能力は、起動を停止させると起動を開始する時の状態に戻すことが出来る。」
「じゃあ、戦闘で死ぬことを阻止することが出来るんじゃないですか」
優里は、死ぬことは防げなくとも、負傷をもとに戻せるのではないかという思いでレイアに聞いた。
「それは、無理だ。あくまで戻せるのは、生きていない物だけで、命があるものは戻すことは出来ない。1キロぐらいなら闘技場のような形で出来るかもしれないが、狂獣の破壊は1キロではとても防ぎきれん。そのかわり効果範囲が凄く広い、独立国家テスタメント学園のような小国ぐらいなら全て覆えるぐらいの距離だ」
優里はその距離に心のなかで驚いた。その驚いたという表情が出ていたのかレイアは少し笑っていた。
「話しはここまでだ。行くぞ」
「はい」
「最後に言いたい事がある。今回の狂獣は、神獣種、固体種だと思う。死ぬ確立が以上に高い。生き残れる確立は1%未満かもしれない。もし死にそうになったら逃げろ」
レイアは、真剣な表情で優里に話す。その雰囲気には、嘘や冗談と言ったものがまったく感じられない。
ーもし俺が死にそうになったら。レイア先生は、自分を犠牲にしても俺を守りそうだなぁ。
優里はそんなことを思いつつ、レイアの言葉を返す。
「俺は、レイア先生のような美人な人と死ねるなら後悔はしない」
優里は心の中では微塵も死ぬ気も無いが、レイアが真剣言っていた雰囲気に呑まれ、真剣に言ってしまった。まあ、優里自身美人な人と一緒に死ぬのは、1人で死ぬよりかなり嬉しい状況なので特に気にしなかった。
「バ、バカモノ」
レイアは優里が真剣な表情だったので顔を少し赤くして言った。それから2人は話しをせずに狂獣のいる場所へ向かった。
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プレズィール街に狂獣に立ち向かう者が、優里とレイアが来る前にいた。その人物は、紅蓮を想像させる長髪をなびかせ、その瞳は殺意が伺え、右手には真夜中を連想させる漆黒の刀を握っている。
その殺意を向けている相手は、勿論狂獣だ。だが、殺意を向けられている狂獣は、何も感じず、いや感じられず暴れているだけだった。何故ならその殺意は、狂獣に取って反応することすら出来ない程度の殺気だったからだ。
だが、狂獣に立ち向かおうとする者アウローラ・フロガは立ち向かうことを止めない。その理由は2つある。
1つ目は、狂獣による破壊が起こす被害が生む悲しみを出来るだけなくすため。そして2つ目は、アウローラの家族を殺した狂獣と言う種類を憎んでいるからだ。
「八咫烏行くわよ。あの狂獣を殺す」
『・・・・・』
八咫烏は、その言葉を返さない。だがアウローラは気にすることも無く狂獣に向かう。
次回はアウローラと狂獣の戦闘です。次回に狂獣の名前が出るかも




